【研究メモ】ODにおいてクライアントと何を“握る”のか?~Cheung-Judge&Holbeche(2021) 第3章「OD の理論と実践: OD サイクルと参入・契約段階」 [後編] からの学び
本章は、ODに関するコンサルティングを進めていく上での重要なポイントについて、ODマップを下敷きに、まずはフェーズ1:参入、フェーズ2:契約を中心に記載されています。
本章からの学び[前編]では、ODにおけるクライアントの捉え方について、まとめました。
今回の[後編]では、ODの初期段階で結ぶ”契約”について、カウンターパートと、何を握る必要があるのか?について、まとめてみたいと思います。
本書の第3章では、Weisbord(1973: 108)を引きながら、プロジェクトを成功させるためには“タスクベース”の契約と”関係性ベース”の契約の 2 種類を持つことが重要であると述べています。
(Weisbordは、ステークホルダーが一堂に集い対話を進める”フューチャーサーチ”という手法を1987年に開発された方ですね!)
”タスクベース”の契約とは、クライアントと実践者の間で交わされるフォーマルな契約で、仕事の内容を概説するものです。
“関係性ベース”の契約とは、プロジェクトを円滑に進める際の“グランドルール”として、外部支援者とクライアントシステムとの関係性をどのようにマネジメントするかを明確にするものです。
自分自身のプロジェクトワークを振り返ってみても、もちろん、初期の参入や契約のフェーズは、クライアントとのラポール(信頼関係)を構築する大事なフェーズなので、できるだけ丁寧に、プロジェクトの進め方や成果がイメージできるように、コミュニケーションを取ってきたつもりでした。でも、本章の契約をタスクベースと関係性ベースに分解し、関連する項目を見て、解像度が高まってみると、まだまだ伸びしろがたくさんあるなと感じました。
後は、大前提として、プロジェクトを進める上で、カウンターパートと、何をするか?(What)に加えて、なぜ取り組むのか?(Why)の目的と、どのようにするかのグランドルール(How)を明確にしておくの、大事だなと思います!
本書で提示されていた項目、チェックリストとしても使っていこうと思います! ある程度ワークシート化して、対話を通じて、明文化した上で、クライアント/ 外部支援の両方が立ち返れるものにしておけるといいですね。
余談ですが、 Weisbord(2006)は、「契約は季節のようなもので、繰り返し行われ、絶えず再生可能である」とも述べていました。
プロジェクトの進捗とともに、”進化する契約”を意識してみたいなと思います!
※本書の読書会にて、本章は、綱嶋さんが発表してくださいました。
本ブログも、発表資料を参考にさせていただきました!
ありがとうございました!!
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