【研究メモ】ODにおいて”クライアント”とは誰のことを指すのか?~Cheung-Judge & Holbeche(2021) 第3章「OD の理論と実践: OD サイクルと参入・契約段階」 [前編] からの学び
本章は、ODに関するコンサルティングを進めていく上での重要なポイントについて、ODマップを下敷きに、まずはフェーズ1:参入、フェーズ2:契約を中心に記載されています。
改めて読み直してみると、学びになることが多かったです。
特に、なるほど!と思ったのが、ODにおける、”クライアント”をどう定義するかという問いです。
本書では、 Burke(1997)の ODのクライアントの定義と、Argyris(1970)の介入の定義について下記を引用しています。
”私は、OD コンサルテーションにおけるクライアントは、役職や役割、もしくは組織の特定のグループ、チーム、サブシステム、あるいはその任意の組み合わせに関係なく、一個人であることは決してないと考えている。私はクライアントを、システムの内にあり、またシステムに関係する個人とユニットの間の関係性および または、インターフェースとして考えるようになった。この中間性が、私のコンサルティングの主な対象である。私はクライアントを個人やユニットではなく、関係やインターフェースとして定義する視点に注目している”
”介入とは、継続的な関係のシステムに入ることであり、人、グループ、または物の間に入り、それらを助けることを目的とする”
(出所:本書, pp.74, 75)
ODのクライアントというと、カウンターパートになってくださる方や、キーマン、現場メンバーなど、具体的な個人や、チーム、組織やを意識しがちなのですが、実際に接する必要があるのは、”個人とユニットの間の関係性および または、インターフェース”がクライアントであり、介入とは、”人、グループ、または物の間に入り、それらを助けること ”だと整理されています。
”繋ぎ”の部分、関係性や組織文化を擬人化してみたりすると面白いかもですね。
「いや~ まじ、この人たち、自分たちが育った価値観を重視しすぎて、お互いのいいところをみようとしないんだよ~」と、部門間や世代間の関係性が言っているみたいな(笑)
しばらく、コンサルティングのお仕事の時に、意識してみようと思います!
※本書の読書会にて、本章は、綱嶋さんが発表してくださいました。
本ブログも、発表資料を参考にさせていただきました!
ありがとうございました!!
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