【#131_研究メモ】 組織開発×ファミリービジネスに真正面から向き合った書籍~Jane Hilburt-Davis & W. Gibb Dyer, Jr.(2002) Counsulting to Family Business: A practical Guide to Contracting , Assessment, and Implementation [ 序章 ] からの学び
面白い書籍を見つけました。
Jane Hilburt-Davis & W. Gibb Dyer, Jr.(2002) Counsulting to Family Business: A practical Guide to Contracting , Assessment, and Implementation という少し古い書籍です。
William J. Rothwell, Roland Sullivan, Kristine Quade が編者を務めており、The Practicingrganization Development Series の一冊に位置づけられています(他のタイトルもとっても興味深いです)。
ちなみに、The Practicingrganization Development Series全体の編集委員会には、David Bradford, W. Warner Burke, Edith Whitfield Seashore, Robert Tannenbaum, Christopher G. Worley, Shaolin Zhangが名を連ねています。
それもあり、組織開発の考え方やアプローチをベースにしつつ、学術的な知見と、実践的知見の両方から、Family Businessでの課題解決に向き合っています。
著者の、Jane Hilburt-Davis は、家族療法と組織開発の両方を学ばれ、コンサルタントとして活躍されています。
W. Gibb Dyerは、MITで組織開発について学ばれ、ファミリービジネスの領域への応用を進めました。学位論文は、「ファミリービジネス企業の組織文化の変革」とのことです(こちらも興味深い!)
「序文」で印象的だったのが、「組織開発の領域は、ファミリービジネスを無視していた。本書は、そのギャップを埋めるために企画された」という一文です(特にそれ以上の説明はなかったので、アンテナを張りながら、もう少し読み進めてみます)
日本も同様の状況な気がします。
組織開発の知見を用いながらファミリービジネスの経営や事業承継をサポートしている例は、まだまだ限定的だと思います。一部の限られた大企業の中での実践ではなく、組織開発の実践領域が拡張することは、研究や支援実践の裾野を広げることにもなります。そうした積み重ねが、一時的な流行ではない、”組織開発”の定着に繋がっていくのではないかと。今、準備を進めている書籍が、間接的にそのような観点でも、お役に立てたなら嬉しい限りです。
余談ですが、The Practicing Organization Development Seriesの他のタイトルもとっても興味深いものばかリです・・・タイミング的に、すぐには手をつけにくいのですが、いい時期に読み進められるように、買い集めとこうかな・・・