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【研究メモ】ファミリービジネスにおける”再生機会”としての事業承継とは? SECIモデル・場の概念から見た、後継者の革新性~Mojca Duh(2015) 事業承継:ファミリービジネスにおける再生の機会、または失敗 からの学び

Duh(2015)は、後継者の革新性を活かすことで、事業承継がファミリービジネスにおける“再生の機会”になると考えています。その際、Nonaka・Konno(1998)のSECIモデルや、“場”の概念にフォーカスし、事業承継における知識創造の新たなモデルを提案しています。

野中先生・竹内先生・紺野先生が提唱・精緻化されたSECI(セキ モデル)と、ナレッジ・マネジメントの領域に導入された「場」の概念は、組織開発や人材開発について書かれた海外の論文や書籍を読んでいても出てきます!

10年くらい前ですが、「U理論」を提唱したオットー・シャーマーがジョセフ・ジャウォースキーという方と一緒に、世界中の著名な学者にインタビューして歩くという話がジャウォースキー(2013)『源泉』という書籍に出てきます。その中で、二人が野中先生にインタビューしたお話が出てくるのですが、経営学者として、ナレッジ・マネジメントの領域で新たな知識を創造されて、グローバルに貢献されている姿を見て(読んで)、おぉ!とテンションあがったのを覚えています。

2019年に米国のAcademy of Managementの学会に参加したときも、組織開発系の分科会の中で、野中先生と竹内先生が『ワイズ・カンパニー』の中で提唱された「ワイズ・リーダーシップ」という考えが話題になっていました。

事業承継により、先代から20~40年くらい経営者が若返ることは、組織にとって不安定さを生み出すリスクでもありが、新しい知見(経営資源)を導入し、今までできなかったことにトライする、大きな成長機会にもなるなと感じていました。今進めている調査の中でも、関連する項目を伺っているので、うまく結果を導きたいなと思います。

Duh(2015)は、モデル提案の論文なので、本モデルの妥当性が自体が実証されているわけではありません。今後、本モデルを基にした、実証的な研究が出てくるのが楽しみです。



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#研究メモ
#事業承継

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