【研究/ 実践メモ】 豊かな関係性を育むのは、思いやり(≒おせっかい)に尽きるのではないか?~ボヤツィス他(2024)『成長を支援することとは』 第7章 「共鳴する関係を育む―ただ聞くより、深く耳を傾ける」 からの学び
ボヤツィス他(2024)『成長を支援することとは』 第7章 「共鳴する関係を育む―ただ聞くより、深く耳を傾ける」 からの学びの整理です。
第7章は、コーチングの効果を高める上での、コーチとクライアントとの関係性と、その質を高めるための、”コーチの聴き方”にフォーカスした章です。
コーチにとって基盤となるスキルを扱っているので、とっても学びが多かったです。
思いやりのコーチング/ ICTコーチングへの関心を抜きにしても、対人支援やピープルマネジメントに取り組むみなさんに読んでいただきたい章だなと思いました。
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コーチングはもちろん、日々のマネジメントにおいても良好な人間関係は、とっても重要なものです。
質の高い人間関係(High Quality Connection)を育むにはどうしたらいいのでしょうか?
本章では3つの要素が紹介されています。
この3つの要素は、とっても納得感が高いです。
ありがたいことに自分の友人やお仕事でご一緒する方々は、この①~③の能力が高いのですが、その場合、対面で会ったことがなく、オンラインでの短いお話(対話)だけでも、とっても深い関係性になっていると、感じる方々がいます(私がそう感じているだけで、先方がそう感じてらっしゃるかは、わからないですが笑)
なので、長い時間を一緒に過ごせば、必ずしも深い関係性になるとは限らないよな~と感じます。
仕事において、人と関係性を築く上で、個人的に大切にしているのは、全世界80億人も人がいる中で、せっかくのご縁で繋がるみなさんなので、普段の業務での役割という関係性を超えて、みんなの人生が少しでも充実して、幸せになるために、ほんのちょっと、小さなことでもいいので、どの様なサポートができるか?言葉を変えると、どんなおせっかいができるか? ということは、割と真剣に考えています(相手に不要なおせっかいはしない、相手が受け取れる余地を残しておくは、大前提ですが!)。
役割期待の範囲内でのサポートは、ある意味”当たり前”なので、それを超えて必要なサポートをお届けすることが、相手との信頼関係(ラポール)を築く上で、とっても大事なことではないか?と。打算的な部分もややある気もしますが、相手がHappyになるのなら、とっても嬉しいなと(笑)
本章の中に、こんな一節がありました。
「本物のパートナーシップの土台は、理性や感情のレベルの一致する二者の関わりから生じる。アイデアを交換するだけの関係とは違う。共有ビジョンが希望やパーパスを浸透させるのに対し、思いやりは気遣いを浸透させる。互いへの気遣い、信頼が生まれ、自分は高く評価されている、大事に思われているという感覚を双方にもたらす。相手の役割だけを見るのではなく、 人として互いを思いやるような感情は、支援する側とされる側を密接につなげる接着剤になる」(pp. 213, 214)
自分が大切にしているマインドをさらに解像度高く言語化してもらった気がします。
今度から、この一節を紹介しよっと(笑)
決して簡単ではないですし、いつもできるわけではないのですが、相手の幸せを願いつつ、行動にも移せる”心の余裕”をうまく持ち続けていたいなと思いました!
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本章は、コーチングに限らず、仕事や家族、パートナーとの関係性を考える上でも示唆に富む内容でした。
著者の一人であるエレンさんと、彼女の娘ちゃんとの進学に関するのやりとりに関するエピソードが記載されているのですが、コミュニケーションがうまくいかないやりとりの様子が描かれていて、共感しきりです。
娘ちゃんや息子くんとの対話にも活かしていきたいと思います!
冒頭でも書きましたが、対人支援にしても、ピープル・マネジメントにしても、基盤になるのは、やっぱり人間関係かなと思います。
豊かな関係を築くためにはどうしたらいいのかあ?
日々のちょっとした”思いやり(≒おせっかい)”が大事だよな~ と本章を読んで再確認しました。
本書で紹介されている、”ICTコーチング”を、”思いやりのコーチング”と呼んでいるのもすごい納得です。
実は以前、著者のボヤツィス先生と、メールでやりとりしたことがあるのですが、初めて連絡をした際に、私に関心があるかかもという論文を、すぐに3~4個、送ってきてくれたことがあります。
彼の”生き方”自体が、”思いやりのコーチング”で大事にされている関係を、自然と体現しているものだったなと思い出しました。
そんな大人に私もなりたい!
※本ブログは、読書会での張さんの発表、レジュメを参考にさせていただきました。わかりやすい整理、ありがとうございました!
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