【研究/ 実践メモ】持っていますか、「個人のための取締役会」?~ボヤツィス他(2024)『成長を支援すること』 第8章 「コーチングや助けあいの文化を築く―組織変革への道筋」からの学び
ボヤツィス他(2024)『成長を支援すること』 第8章 「コーチングや助けあいの文化を築く―組織変革への道筋」からの学びです。
本章では、組織のなかでコーチングを文化として定着させるために大切な観点について述べられています。
コーチングについて深く学んだり、よいセッションを経験している人なら、コーチングや、その中で大事にされている立ち振る舞いの実践は、日々の職場での人々との関係性において重要だと感じやすいかと思うのですが、職場の全員が必ずしも同様に考えるとは限りません。
特に、世代が上になるほど、傾聴や問いかけといった行動を、自身の上司から受けたことがなく、”背中から学べ”的な環境で育った方の割合が増えるのかなと思います。その中で、コーチングをやります!といっても、なかなかイメージしきれないのも実情かも知れません。
本章では、事例研究を踏まえて、「組織にコーチングを導入する際の3つの基本的アプローチ」について言及されています。
特に、(3)は、組織的にコーチングを広めていくためにはとっても大事な観点だなと思います。チームリーダー/ 課長クラスから、ボトムアップ型でコーチングの重要性ややり方について進めていく方が、やりやすい部分もあるかと思います。ただ、上位のマネジメント層がコーチングの重要性を認めて実践していなかい限りにおいては、なかなか組織の文化として定着せず、一過性のもので終わってしまうかと。どんなに頑張ってコーチングや1on1に時間を割いても、必ずしも上長から評価されない場合もあるので。全員でなくてもいいので、少なくとも、トップマネジメントのキープレイヤーが、コーチングの重要性を組織のなかで啓発し、実践していくような取り組みも、組織にモメンタムを生み出していくためには、非常に重要になるかと思います。
順番は前後しましたが、アプローチの一つ目のピアコーチングも、実践しやすいとっても大事な”面”としての動きかと思います。個人的には大好きアプローチです!期間が長めのリーダーシップ研修があるときには、コミュニティ型の学びを促す上で、ピアコーチングのグループを作ったりします。研修終了後も、継続しています!とか、お話伺えたりすると、とっても嬉しくなります(笑)
本章のなかで面白い表現だなと思ったのが、ピアコーチ的なサポートグループとして、「個人のための取締役会」を持つ重要性について、述べられている点です。ワーディングが秀逸ですよね!
私も、週次で行うものと、年次で行うものの、2つが定例であり(別のコミュニティで、もう10年近く続いています)、それ以外にも、半期や四半期・年次くらいで、久しぶりに会って話でも~という流れの中で、コンサルティングや研究、教育のそれぞれの領域ごとに、想いや志が近い友人と集まって、話をし、刺激をいただくとともに、振り返りが進む環境を意図的に創っています。なので、この「個人のための取締役会」という表現は、とってもハラオチ感が高かったです!
日々目まぐるしい日常のなかだと、目の前のタスクをこなしていくことで精一杯の部分もあるのではと思います。そんな時間が長く続くと、どうしても視野狭窄となり、場当たり的な対応になってしまったり、何のためにこれをやっているかの目的意識が薄れてしまうことも・・・ それが人のサガと割り切って、他の人の力も借りながら、振り返りやフィードバックを得る機会(=「個人のための取締役会」)の開催タイミングをあらかじめ組み込んでおくことも、いいマイルストーンになるのではと思います。
最後の問い
:「個人のための取締役会」を創ろうと思った時、どんなテーマが浮かんできますか? 誘いたいのは誰ですか?
※本ブログは、読書会での紀藤さんの発表、レジュメを参考にさせていただきました。わかりやすい整理、ありがとうございました!
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