食べて応援は自殺行為とまだ信じている人に伝えたいこと
未だに福島の農作物について放射能汚染のイメージを持っている人がいる。私の地元は福島だ。津波の直接的な被害はなかったものの、放射能の影響は大いにあった。夏のプールの授業は中止、校庭で遊ぶことは禁止、通っていた高校はホットスポット(周囲と比べて線量が高いエリアのこと)だった。
しかしそんな生活は長くは続かなかった。除染作業が行われ、線量も下がり、いまでは震災前と変わらずに校庭で元気に遊ぶ児童たちの姿を見ることができるし、プールにも入れる。復興に尽力してくださった方々全てのお陰で今の通常の生活が成り立っている。
震災後から、出荷される福島の農作物は汚染された土壌を綺麗にし、1から育て、それを放射線測定器にかけて、規定を超えなかったものだけを出荷している。当たり前のように食べている福島産の米や野菜は、裏で想像を超える努力に支えられて食卓に並んでいる。厳重なテストを通過しているがゆえに、むしろ安全管理の面からしたら最高クラスのものではないだろうか。
自分一人の中で「福島県産のものは危険」と思い、気をつけているならそれはそれで個人の自由なので構わない。だが、声を荒げて「福島県産のものを食べるのは自殺行為だ」と発信されると、裏で大変な努力をされている農家さん達などを直接目にしていた私にとっては悲しい気持ちだ。記事にある通り、福島は日本酒が有名で福島県が独自に開発した好適米「夢の香」という酒造り専用の米も存在する。
どれも、たくさんの人の努力が積み重なって出来上がっているものだ。それを、科学的根拠もなく頭ごなしに危険だと、自殺行為だと言っているのなら、それは本当にやめてほしいと思う。
また、少しでも福島の日本酒などに興味を持っていただけた方がいたのなら、大七や千功成、奥の松、金水晶など福島の地酒を楽しんでもらいたい。