前澤友作がアーティストを月に滞在させる前代未聞のアートプロジェクト始動。
前澤友作によるアートプロジェクト『#dearMoon』が発表された。
ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイの代表であり、国際的なアートコレクターとしても知られる前澤氏。『#dearMoon』は、2023年にアーティストたちと共に1週間ほど月に滞在し、創作のインスピレーションを得るというアートプロジェクト。乗船するアーティストたちには、画家やミュージシャン、映像作家、ファッションデザイナーらを想定しており、詳細は後日発表される。
創作とは何かを作り出すことです。さらに辞書で調べると”今までになかったものを作り出す”という意味です。
私たちが何かものを作る時、アイディアの源になるのは今までの人生で見たもの触れたもの、感じたこと、聞いたこと、知っているものが要素となってそれぞれを複雑に絡み合わせたり創意工夫することで新しいものを作っていきます。アーティストも、感動、その目で見た景色、人、モチーフを自分の心を通して自分なりに変換して出力した結果が絵であったり立体、映像、音楽になります。
地球が生まれて46億年。人間が存在してからおよそ600万年。多種多様な価値観を持ち合わせた人間が生まれ、死に、その人生の中で作品という形で何かしらを残した人間がいる。それはアマチュアもプロモ含めれば膨大な数になります。ここまで人間の歴史が積み重ねられ、数も増えれば同じような価値観で同じような経験を積んだ人間が時代は違えど作品を残すこともあるでしょう。要するに完全なオリジナリティというものがなくなってきていると私は感じます。やったもの勝ちといえば聞こえは悪いのですが、既に大抵のことは偉大な先人達がやりつくしてしまったように思うのです。今はそれをさらに上のレベルへと押し上げたり、ニッチな点を責めたり、複数の要素を組み合わせてオリジナリティというものを作り上げているのではないでしょうか。
しかし今回のプロジェクト、月に滞在する、という経験は前人未到の領域です。月の外観は写真や動画で見た経験はあるかと思います。ただ、未だアーティストの中で月に到達した者は存在しない。それぞれのジャンルで活躍するアーティストたちがそれぞれの感性で宇宙の、月の景色を見て、直接ではなくとも触れて、1週間を過ごし何を感じ取ったか。それを出力してできたものは完璧な独創性を持ったものと言えるのではないかと私は考えます。
2023年にプロジェクトが始動ということなので、そう遠くない未来です。どのようなアーティストが選ばれるのかも興味深いですし、帰還した暁には是非とも日本での展覧会などを催してもらいたいと思います。