劣等感を感じる思考回路
職場や学校ですごい人がいる。
SNSで歳も近いのにすごく活躍している人がいる。
「そんな人たちに比べて自分は・・・全然できてない」
そうやって比較したり、仕事や勉強など自分が取り組んでいることがうまくいかなかったり、身近な人から貶(けな)されていると感じたり。
とにかくめちゃくちゃ他人に比べて劣っているように感じる思考にハマっている人が劣等感に悩まされています。
「劣っているのは事実だからしょうがない」と思うかもしれませんが、劣っているのは事実ではないんですよ。
劣等感が湧いてくるとき
劣等感が湧いてくる原因のほとんどは
他人と比較している時
自分はダメだと思っている時
他人のダメ出しが図星だった時
できない自分は恥ずかしいと思っている時
自分の過去に後悔している時
です。
劣等感が湧いてくる時というのは、単純に自分が他人より劣っているか優れているかが原因ではないことがわかるでしょうか?
一番の原因は「自分が自分のことを『ダメ』と思い込んでいること」なんです。
わかりやすい話だと、自分が興味のない分野で優れている人を見て自分が劣等感を感じるかどうかということです。
スケートの羽生選手は身体能力高いし、動きも美しいし、ストイックですごい成果を出していますが、スケートリンクで選手として争うわけでもないあなたには関係ないですよね。(スケートやってる人でも、もはや雲の上?)
自分と共通点があったり、比較できる程度に同じレベルだと感じている人にしか、劣等感は感じないのです。
あなたは本当に劣っているのか?
例えば、同じ職場の同期で、同じ仕事に取り組んでいて、一方の彼は上司に褒められたのに、自分はダメ出しされたとします。
確かに、その段階で上司から褒められた同期の彼は褒められたと喜んで浮かれるかもしれません。
あなたはそれを見て落ち込んだり、劣等感になったりするかもしれません。
でも、その褒められた、注意されたのはその段階においての話です。
同期の彼が100で、自分は0なのではなく、彼が60、自分が40くらいな訳です。
テストの点数が2,3点違うだけでも順位は1,2とズレるようなものです。
今の結果がその状態だということなのです。
劣等感を感じやすい人は100か0で考えてしまって苦しくなったり、自分にそもそも自信がないことによって他人を事実よりも過大評価して、自分との差が大きく感じてしまっています。
劣等感で勝手に自分を責めて動けなくなる前に、
一体何が自分にとって良くなかったのか
他人が良かったところはどこなのか
を正しく考えることが大事です。
あなたと他人の差は、そもそも人間的に優れているとか、生まれが違うとか、埋められない差ではありません。
考え方が良かったか
言葉が良かったか
行動が良かったか
というような差です。
もしかすると、その仕事に就く前の経験値が全く違っていて、同期の方が経験や知識のあることだったかもしれませんよね。
あなたはその分野では同期の彼に経験や知識が少ないかもしれませんが、別の分野なら彼より良く知っていることや経験していることはハッキリあるはずです。
今、優れているのか、劣っているのかは大して関係のないことです。
もし、成果を出したり、自分が自分に誇れるようになりたいなら、そのライバルである彼さえ巻き込んでこれから変えればいいことです。
劣等感が湧いてくる理由
劣等感が湧いてくる時とその状況がわかったとして、
なぜ劣等感が湧いてくるのでしょうか?
私が考えるに以下のようなことだと思います。
単純に疲れている
何の差があるのか明確にわかっていない
自分はダメだという思い込みが勝っている
スタート地点が違うことを理解していない
1. 単純に疲れている
体力的に疲れたり、ホルモンのバランスが崩れたり、睡眠不足だとネガティブになりやすいことがあります。
そういう時は、普段平気なことでもネガティブになりやすいです。
「なんだか不安を感じるな」と思ったら、さっさと寝た方が良いです。
友達や誰かと話したり、本を読んだり、ゲームをしていても不安になったり、嫌なことを思い出したりしやすいので、さらに辛くなります。
自分のことを理解している人は、自然とそういう行動をとっていることも多いです。
2. 何の差があるのか明確にわかっていない
劣等感を感じると言いながら、その比較対象になっている人との差や何が羨ましいのかを理解していない人がいます。
「自分はダメだ」と思いながら、そのダメさ加減とか、何がそんなに落ち込ませるのかをぼんやりとしか理解していないことによって、なおさら他人を過大評価したり、自分を責めることに拍車をかけている人がいます。
意外とその差を埋めるのに時間がかからないこともあるので、わからないまま自分と他人を比較するのは自分にとって良くないですよ。
3. 自分はダメだという思い込みが勝っている
そもそも自己肯定感が低い場合にこれが起こります。
自己肯定感と一口に言っても、ある特定の物事に大して自己肯定感や自信がない人はたくさんいます。
普段の人間関係では何も問題がないのに、恋愛になると全くダメだったり、英語だけコンプレックスになっていたり、仕事になるとダメだったり、後輩には優しくて好かれるのに上司に嫌われやすかったり。
この場合、劣等感に悩む人がやっていることは、点数や評価、あるいは金銭的な成功、名声的な成功などが他人より劣っているという事実を使って、自分をいじめているだけです。
現在の事実がどうであれ、数年後には逆転しているかもしれないくらい、人生の中で何が起きるのかは不確実だし、安定していません。
自己肯定感がないことというのは、勝手に思い込んでしまった錯覚であることも多いです。一部の障害で欠落した能力もあるかもしれません。
でも、憧れたり、羨ましく思えるということはすでに可能性があると言うことだと思います。自身の無さに対する思い込みの材料にするのではなく、「自分はこういうことにコンプレックスを感じるんだな」と認識する機会になればいいと思います。
4. スタート地点が違うことを理解していない
さっきの例にもあったように、
そもそも他人と自分の経験値も得た知識も能力も違います。
自分は本当に0からスタートでやっているけれども、同期の彼は経験があったりするならば、比較しようがないですよね。
むしろ、自分がそれなりにできていることを「自分やるじゃん」と褒めて良いんじゃないでしょうか。
学校教育のせいなのか、日本が全体的に差が少ない国民性なのか、全く違う環境下に育っていて、経験も学んだことも、家庭環境も違うにもかかわらず、なんでも平等である方がおかしいです。
比べることができるのは、自分自身だけです。
もし、他人と比較しているのであれば、自分の生活に対して真剣になれていないのだと思います。
比較していてもすぐにその差が埋まるものではないので、悔しいと思うならなおさら、自分に集中して努力する方が良いでしょう。
もし身近な人がその比較対象なのであれば、その羨ましい気持ちは置いておいて、どうやって経験を積んだり、勉強したり、行動してきたのか聞いてみると気持ちも落ち着いて、応援してもらえたりしますよ。
劣等感は思い込みからできている
すでに気づいた人もいるかもしれませんが、同じように他人と比較されたり、ダメ出しされたり、自分が未熟だと感じても、
劣等感を感じる人と感じない人がいます。
この違いは、そもそも自分を劣っていると感じているかどうかの違いです。
育ってくる中で親や先生に言われた言葉が蓄積して、自分はダメだと思っていることもあるし、
最近思ったことが上手くいかないと感じているせいかもしれません。
なんにせよ、劣等感の原因は自分の心の中にあります。
その劣等感の悪循環から脱出しなければなりません。
もしSNSとか自分で遮断できるものから劣等感を刺激されているのならしばらくは見ないようにするのも効果があります。
しかし、職場や学校では難しいかもしれません。
そういう時は、自分でその劣等感の意識に流されないように、劣等感が湧いてくる理由の4つを意識して、紙に整理したり、気持ちを落ち着かせる時間を数分作りましょう。
また、今意識しているライバルは長い目でみればその人ではないかもしれません。
目の前に自分より優れている人が居たとしても、社内・学校内全体や日本や世界全体を見渡したら、もっとすごい人はいるし、もっとできない人もいるでしょう。
自分の視野や目標を少し遠くに置くことで、自分の感じている劣等感からあっさり抜け出せるかもしれません。
劣等感の原因に対処する
身も蓋もないですが、劣等感から本当に抜け出すには、その劣等感の原因に対処していく必要があります。
やっぱり自分がダメだと思っている理由をもう少し考えた方が良くて、それが今まで挑戦して失敗してきたからだというなら、失敗の原因とうまくいっている人との違いを自分なりに情報を集めて考えることが必要だと思います。
できるか、できないかというのは、過程の話です。
ある時点で出来ないからって一生できないとは思わないですよね。
でも、自分を責めるだけ責めて反省しないなら、一生できないかもしれません。
確かに自分が優れているとか、他人よりできると思って偉そうにしている人もいます。でも、劣等感を感じる考え方をする人は、自分が優位になった時に同じように偉そうにするし、できない人を馬鹿にします。
自分の評価基準が、できるかできないかの2択しかないからです。
だから、馬鹿にされたわけでなくても、必要以上に追い詰められたり自分を責めたくなってしまうのです。
そういう考え方ではいつでも焦るし、辛くなると思います。
「比較対象は昨日の自分」と言われるとおり、自分がどれだけ変化したのか、自分がちゃんと目的に向かって行動したり、時間や頭を使っているのかを真剣に考えることが大事です。
他人が望んでいるものと、自分が望んでいるものは違うはずです。
もし他人と全く目標が同じ人がいるのなら、どちらかが向いてないか他人の目標を自分のものだと勘違いしているでしょう。
最終的に、今の結果は過程でしかないと認識できるようになることが、自分にとっても、周りの人たちにとっても大事なことだと思います。
「今できないなら、今からやれば良いよね」
「前はできなかったけど、できるようになったね」
自分と比較して優劣を測るのではなく、身近な人や子供に以前よりも変わってきたことを褒められるようになる頃には、劣等感は無くなっていると思います。
100点じゃなければ認めないなんて心の狭いことを考えると自分が苦しいだけなのです。
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