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真昼の空にもあまたの星

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埼玉でカフェやスペースなどを運営する数名が、店のできごと、日々感じること、見えてくる世界をつらつらと綴ります。
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#歴史

何処かで誰かが、死んでいる

墓をつくりたいと思っている。 何かの例えではなく、人が死んで、骨や体が納められる墓を。 突拍子がなく聞こえるかもしれないが、そう思うようになったのはきっかけがある。 僕は自分の店がある街の自治会で、環境部という部署の長を務めているから、孤独死の話が年に数回ほど耳に入ってくる。 先日も店に来てくれていたお客さんが亡くなった。 窓が開かない家の様子を不思議に思ったご近所さんが警察を呼んで、それから事態が発覚したそうだ。 高齢化が進む街だから起こりうるとはいえ、顔や名前を知

古くねえよ、と怒られる

 数年前、「街のことたいして知らねえだろ?」と言われたことがある。 確かにそうだ。たいして知らない。  当然、知らなきゃマズイわけでも、何か言ったりやったりしちゃダメってわけでもないのだが、部外者は口を出すな的価値観の人と話をするには知っていた方が良さそうだし、単純に悔しい気持ちもあったので、誰よりも街のことを知ろうと思った。  まず、商店街の仕事として、全45店舗(撮影当時)にインタビューをしながら動画を撮った。角栄商店街のHPに店舗の情報を記載するため、という建前もキ