やってらんねえワーママをやめた話
休職しました。
私の働く会社には働くママ(ワーママ)が何人かいる。
ママが働くことへのアゲインストな感じは特にない。
それどころか、昨今の時代の波に乗って、
「うちの会社は働くママを気遣っているよ〜」
「無理しなくていいからね〜もし急な子どもの体調不良とかあったらすぐ帰れるようにするから!」
みたいな優しさがある。
上場企業という背景もあり、
労基法や男女雇用機会均等法みたいなものには遵守していて、
産休・育休・時短勤務
どれもキチンとできる。
だから、女性社員にとっては、
「フレキシブルに働けるいい職場」だし、
実際に時短勤務しながら子どもを保育園や学校に通わせて
頑張っているママ社員もいるわけだ。
ここまで見ると、
「何が不満なの?」
「めちゃくちゃ恵まれてるじゃん」
と思われそうだが、
私が「働くママ」にくじけたポイントはここじゃなかった。
私がくじけたポイントは、
「自分をなくしたこと」
だった。
子どもができると、
妊娠中からいろいろなことが制限される。
食べ物だって、生モノはいけないから大好きな回転寿司にもいけないし、
もちろんアルコールもダメ。
遊園地のアトラクションも乗れないし、
たくさん歩くとお腹が張ってしまうので、あまり遠出もできない。
子どもが生まれれば、もっと制限される。
まず、四六時中、子どものことばかりになる。
新生児期なんて頻回授乳だし、部屋の温度や湿度も気になるし、
寝ている間も、「息しているよね?」と何回も確認するようになる。
オムツも頻繁に替えなければならないので、外出先ではオムツ替え台があるかないかが重要になってくる。
好きだったスーパー銭湯に行けない。
映画館にも行けない。
1歳くらいになれば、授乳も減るし、楽になってくるけど、
今度は「たっち」や「あんよ」で部屋の中のあらゆるものが危険になってくる。
テーブルの周りには緩衝材が当てがわれ、
いたずらされて困るものは手の届かないところに隠さなくてはならない。
出かける時にもたくさんの荷物を用意して、
車ならチャイルドシートに座らせなければならない。
我が子はチャイルドシート嫌いで、わんわん泣く。
それを、義母などに「かわいそうに」と言われた時には、
私だってやりたくないわ!
と思いながら、
「命を守るためなんで〜」とか言ってやり過ごさなければならない。
本当に、自分の時間なんてないのだ。
自分が望んでいなくても、自動的に、
頭の中は「子どもの事ばかり」になってしまうのだ。
そこに、「仕事」が増える。
会社と家庭の往復。
電車の中では、好きだった音楽も聴く気になれない。
ぼーっと空を見つめることしかできなかった。
保育園につけば、子どもの笑顔に救われる。
けど、家に帰れば溜まったホコリや洗濯物、汚れた食器が待っている。
友達にも、もうどれくらい会っていないだろう。
そうして私は、すっかり「自分をなくした」のだった。
自分がなくなるとどうなるか。
まず、溢れた感情が怒りになって、矛先は夫やモノになる。
夫は理不尽な言葉の暴力に辟易したと思う。
家のモノも、その時にできた傷がたくさんある。
もっと進行すると、怒りもなくなり、
無気力になる。
化粧しなくなる。ご飯を作らなくなる。掃除しなくなる。
会社帰りの電車で涙が出る。
会社を休みがちになる。
今までできていたことができなくなる。
ここまで来て、やっと心療内科を予約した。
泣きながら4・5件電話をかけ、
すぐに診療してくれそうな病院に行く。
診断書が出され、仕事も家事もせず休養するようにと言われる。
こうして人生初の休職が決定してしまった。
恥ずかしかった。
「これまで順調にこれたのに、なんで。」と思った。
上司は、あまりとやかく言わず、
淡々と休職の手続きを取ってくれた。
きっと、役立たずと思っているんだろうな。
でももういいや、と思った。
それからは、「茫然自失」といった感じで、
家でじっとしている。
自分をなくしたので、
自分を見つけなければならない。
そのために、
これからのnoteをまとめていきたい。