奈良公園の鹿とお話がしたい。【500文字シリーズ】
いつだか、
現役高校生から謎のLINEが届いた。
画像だけの写真である。
そして既読した直後に取り消された。
「すみません、間違えました!」と
の短文を残して、画像は消えた。
しかし、その写真にはどうも
見覚えがあった。なんだろう。
奇妙だ。
僕は推理する。
写真にうつされた
モノの正体を。
①せんべい、のような平たい
食べ物である。
②すこぶる薄いせんべいである。
③薄いブラウンのような淡い色。
④せんべいの周りに映り込んで
いた緑の草。
⑤その草原に転がる黒い石ころ。
おや?
あれは本当に黒い"いしころ"
だったのだろうか?
「もしや、あれは……
だとすると……このせんべいは……」
さっそく僕はLINEを送る。
「今、何年生だっけ?」と僕。
「二年です」と高校生。
ーなるほど。やはりな。と
自己納得しつつ返信する。
「もう二年生か、早いね。
修学旅行、楽しんで!」
これでようやくスッキリした。
謎のせんべいは、かの有名な
奈良公園の鹿せんべいでは
ないか!なんと懐かしき思い出。
そうと分かった瞬間、
確認のため僕はGoogle先生
に画像の表示をお願いした。
「奈良公園 鹿せんべい」・・・カチ。
そして何度か頷き、
ボソリとつぶやく。
「いいね。奈良」
さいきん、
京都と奈良のことで、頭がいっぱいの僕である。
「ああ、あの奈良公園の鹿たちに会いたいぞ!」
鹿せんべいを見せた瞬間の
威勢の良い奈良の鹿たちに
僕は恋焦がれている。
ということで。
今日の夢は、
奈良公園の鹿たちに囲まれる猫目。
という設定ではどうだろうか。
それでは、また明日~。
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