
ほんとうに必要なモノ
あれほど焦っていた小説の公募賞に無事、応募。とはいっても、最後のほうはヘトヘトに疲弊し、焦燥し、4、5回ほど、強い嫌気におそわれて「今回はやめよっかな」「時でない」とかなんとか。
自分に都合のいいように持ちこんでいた矢先。YouTubeで西野亮廣(プペルの人です)さんのチャンネル(ボイシーの切り抜きでしょうか)を拝見し、やる気・意欲・刺激(つまるところモチベーション)をいただいた猫目です。みなさん。こんにちは。なんと長い前置きでしょうか。どうか嫌にならないでください。あと少しで前置きもおわります。
猫目は、この動画のおかげでだいぶ救われました。実際に〆切が間際だというのに、朝・昼・晩にくり返して聞かせていただいたほどです。その節はたいへんお世話になりました。「もう無理かもしれない」と踏んばっているあなたへ。とてもおすすめの動画です。
「99・99パーセントのプレーヤーの夢が叶わない世界じゃないですか?」
という西野亮廣さんの言葉が、心臓にサクッと突き刺さって抜けなくなりました。涙の一滴二滴そそられるお言葉と、目をひらきすぎて表面が乾燥し、ドライアイを再発しそうになる真実のお話。いやはや。すばらしいモノを聴かせていただきました。おかげで、どうにかこうにか乗り切ることができました。誠にありがとうございました。
さて、ようやく今日のお話です。
「本当に必要なモノはなにか」というテーマです。
とつぜんですが・・・
あなたにとっての”ほんとうに必要なモノ”とは、なんですか?
きょうは創作という行為に焦点をしぼってお話を進めていきます。創作活動の際に「本当に必要なモノはなにか」です。
あれもこれも全てタイセツ!
猫目も、創作時によく迷ってしまう「本当に必要なモノはどれなのか問題」それらをたまに友人へ相談します。そして友人から返ってくる答えがそれはもう豊富。豊富すぎて結局なにが必要なのか、わからない。
しかも、わからないのは猫目だけじゃなく、本人も同じのようで、話しの最後には「まあ、どれが必要かってわけじゃないんだけどね」との曖昧な回答を出されてしまう始末。始末がわるいとはまさにこのことです。
けっきょく、なにが必要で、なにが不要なのか。全くもってわからない。結果としてなにひとつ「必要なモノがどれかわからない」状況で会話は終了。「全てが必要」だという彼の主張、それはすなわち、「要らないモノはなにもない」ということでいいのでしょうか。
あまりに必要なモノが多すぎて、裏を返して「じゃあ要らないモノはなに?」って訊ねた時に「・・・・・・」と口をむすんでしまう恐れがあるわけです。
なにしろ、ほとんど必要なモノなのですから。その中から要らないモノを探すのってだいぶむずかしいですよね。それならいっそのこと、要らないモノから探していったほうが得策ですよね。そういうわけですので第一に。
要らないモノから探していきましょう
要らないモノを探し出しましたら、次は「取捨選択」です。
要らないモノがわかった今、そこからさらに「本当に必要なモノ」をしぼりこんでいきます。みなさん。トランプカードを思い浮かべてください。必要なモノは「ハート♥」「ダイア♦」「クラブ♣」「スペード♠」そして「ジョーカー」とそれだけ。それだけでいいのです。仮に、あれもこれもと、目につくカードを全て手にとってみてください。
それら全てのカードのおもて面が見えるよう、デスクに並べるとします。すると最低でも1メートル80センチの割と大きなデスクが必要となってきます。となると、まず『ニトリ』に行く必要が出てきます。そして『ニトリ』の充実したラインナップと、洗練された商品群を見てまわるうちに、あっという間に、時間が過ぎていきます。つまり、余計な時間と動力を使うことになってしまう。
「アイデアを出すには8枚のカードが必要だ」「物語をうまく構成するのに
10枚のカードが必要だ」「物語にリアリティーを出すのに15枚のカードが必要」「作品のクオリティを高めるために、取材は外せないから20か所の取材へ出かけよう…」……そんなことをしてみてください。
気がついたら〆切間際で、しかも作品全体のバランスがわるい、といった事態を招く結果となってしまいます。
53枚ものトランプカードを抱えていては、もはやどこに力を注いでいいのかさっぱり。お手あげ。わかりません。もちろん53枚のカード全てに全力を注ぎこめるというハイスペックな能力をお持ちのかたで、なおかつ、一切の〆切に追われる必要がないかたは、別です。ニトリへ行って思う存分にショッピングを楽しんで来ていただければと思います。
そういう人たちはのぞいて、ともかく猫目は凡人です。脳には限りがあります。そこで肝心なのが取捨選択となってくるわけです。
「〆切が間にあわない」「思ったのとぜんぜん違う」「目標の『も』の字も作品に反映されていない」などとの、大惨事にならないよう、トランプ53枚のカードの中から「これだけ外せない(消去法)」というカードを選んでいきます。理由をふくめて数枚、あなたのデスク(頭)にならべらて、見わたせるくらいのカードを選択していきます。
何度もいいます。
ジョーカー(主役)は1枚(ひとり)でじゅうぶんです。
ジョーカーをあと十枚複製してみてください。取り返しがつかなくなります。

取捨選択をすることで、これまで無駄ということにすら気がついていなかった「要らないモノが可視化」されていきます。
あとは、あなたが選らんだカードをデスクに並べてみて、それらの必要なモノを着々とカタチ(行動におこす)にしていくのみです。
片っぱしから、やってやって、やりまくる!
さて、取捨選択によって本当に必要なモノが見えてきました。そのとたん、「よし!やってやってやりまくってやる!」「片っぱしからこなしていくぞ!」といったやる気が漲ってくると思います。しかし。
目についたモノから手をつけていくというのは非常にあぶない行為です。なにが危ないかといいますと、皆さんもご存知のとおり、脳にはキャパシティーの限度があります。とりわけ猫目は脳科学というものを心底信用しております。数多の科学者によりますと、脳は休息なしには働きつづけられない、とのこと。
脳が、1日で正常に活動できる時間というのは、おおよそ決まっています。それらの中でも、より効率がよい時間帯や、集中できる時間というのが存在しているわけです。
目覚めの脳が活発だというのは身に覚えがあるので断言できます。もっとも脳が活発に動く活動時間をこえていくと、そこからだんだん、処理速度や回転速度(パフォーマンス)がおちてきます。脳だけではありません。体力や、それにともなう精神力ですら、時間が経つにつれ、低下していきます。
そういった制限がある中で、どのようにして「本当に必要なモノ」を作品というカタチに仕上げていくのか。そこで重要となってくるのが「物事への優先順位づけ」です。
本当に大切なモノを取りこぼしてしまわないように。
わたしたちは選択し、順位をつけて取り組んでいく必要があります。
ここで再び、トランプカードを思い浮かべてみてください。あなたの頭の中にある選び抜かれたカードたち。そのカードたちに今度は「優先順位」をつけていくのです。
どうやら、わたしたち人間の脳というのは訓練しない限り、15~90分間しか連続して集中することができないらしい。ということですので、この時間を大切にしていくためにも「取捨選択」そして「優先順位をつける」ことが、部分部分で重要となってきます。
本当に必要なモノを見つけ出すためには・・・
① はじめに要らないモノを浮き彫りにして選りわけていく 【取捨選択】② のこされた必要なモノに順位づけをして取り組んでいく 【優先順位】
さいごに
わたしたちは、誰かのせいにするのが得意な、ヒト亜族に属するどうぶつです。それを念頭において以下のことを実践してみてください。
① 他人の意見や提案を鵜呑みにしない(いちど自分の頭で咀嚼する)
そして
② さいごは必ず、自分でものごとを決める
この2つだけです。非常にかんたんなことのように思えます。
しかし、実際にやってみるのは意外とむずかしいものです。なにしろ、わたしたちは基本的に「でもあの人が、あの時こう言ったから」「あなたの言ったとおりにしたんですけど」「だけどこれはお前が提案したことじゃないか」「だったらもっと早くそれを言ってよ。そうしたら私だって…うんぬん……」エトセトラ。わたしたち人間は他人へと責任を押しつけてしまう傾向にあります。
したがって
最終的には、すべて、あなたが決めるようにしてください。
他の人の意見を聞くことは視野がひろがるのでいいことです。しかし、あくまで意見は意見であって、提案は提案です。それらを自分の頭で考えて、咀嚼して、吟味して、それから「じぶんの答え」を出してみてください。
最終的な判断は自分自身で。
そうすることによって失敗したとき(目標を達成できなかったとき)に、発生する責任はすべてあなたへと向けられます。責任は、あなたにしかない。だから必死でやるより他にない。
必死でやるからには、53枚ものトランプカードをデスクいっぱいにならべて、片っぱしから引っつかんでいる場合じゃない。やりきれなかった残りの数枚を「間にあわなかった」の一言で片づけている余裕はない。
デスクの下にこぼれ落ちてしまった、本当に重要なカードに気がつかずに足で踏んづけていた、なんてことをしてはいけない。

オオカミの群れのリーダーは、その能力がないとみなされたら、狩りに失敗したら、とたんにリーダーから外されてしまいます。それけじゃない。今日食べていくものがなくなる。そして命をつないでいくことがむずかしくなる。これってすごい世界ですよね。さすがは自然界。きびしい世界だ。
そう思いませんか?
しかし、わたしたち(創作する者)の世界はこれと同じか、あまり変わらない。そんな気がしてなりません。やるからには本気でやっていきたい。全力を出し切っていきたい。そうでないと、小説や漫画を読んでくださる読者の方に申し訳ないです。映画を観てくださるお客さんに失礼です。
なので最善を尽くす必要があります。そのためには、本当に必要なモノ、大切なモノを見抜いていく力というのは必須条件となってくるのではないでしょうか。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。