無言、痛み、泣き虫
年甲斐もなく、
何も言えないままチョコを渡した。
たった一言
震えて言えなかった。
年の差なんてとか
家柄とか
ぜんぶ考えてしまって
それ以前に
友達としか思われてないって
わかってるから
言えなかった。
逃げてしまった。
傷付くのが怖くて
自己保身に入った。
たぶんこれから先も
言えないままで。
喉からの言葉は
心の奥に抑え込む。
いっそ、見知らぬ他人ならよかったのに。
心が強張る。
世迷い言。
嘘を吐かないなんて嘘を
君の前ではこれからも重ね続ける。
君が君で幸せなら
頑張って笑うから。
君の前では泣かないから。
さよならとこの想いに言える日まで。