再生医療のデメリット
物事には必ずメリットとがあれば、デメリットも存在します。
そのため、今回は再生医療のデメリットに関してお伝えしようと思います。
再生医療のデメリットの中で、知っておかないといけない事が2つあります。それは【拒絶反応】と【腫瘍化】です。今回は、その2つに関して詳しく書いていきたいと思います。
【デメリット1】 拒絶反応
再生医療は、一度身体の外に出した細胞を再び身体の中に入れるため、必ず拒絶反応のリスクを伴います。
ここで、再生医療の拒絶反応を理解する上で自家・他家について知っておく事が必要です。
再生医療には、自家➨自分の細胞・他家➨他人の細胞。
どちらを選択するのかが再生医療に大切となってきます。(例:自分のIPS細胞・他人のIPS細胞)しかし、現在行なわれている再生医療のほとんどは自家しか行なわれていません。それは、自家・他家それぞれのメリット・デメリットが関係してきます。
【自家のメリット】
・自分の細胞を用いるため拒絶反応の影響が少なく安全性の高い再生医療を受けることが出来ます。
【自家のデメリット】
・医療費が高額となります。
【他家のメリット】
・医療費が安くなります。
【他家のデメリット】
・他人の細胞を用いるため、拒絶反応のリスクが非常に高く再生医療の安全性に不安が残ります。
医療費に関して、なぜ自家では高く。他家では安いのか。
それは、洋服をイメージされるとわかりやすいと思います。
自家の細胞は、言い換えるとオーダーメイドで作った細胞といえます。洋服などでもオーダーメイドで作った服は高いですよね?自分に合った物をイチから作るため料金は高額となります。
その点、他家は既製品のイメージと同じです。ユニクロや他の洋服店の様に大量に同じ物を作ってコストを削減することで価格を下げています。細胞も同様に、なるべく拒絶反応の影響が少ない細胞を大量に増やして用いることで医療費を安くすることが出来ます。
拒絶反応などを考える上で、医療費を安くするために他家の細胞を選択して拒絶反応のリスクに対処するのか。医療費が高額でも、拒絶反応のリスクが少ない自家を選ぶのか。考える必要があります。
【デメリット2】 腫瘍化
再生医療は、損傷している神経・内臓・筋肉に細胞が変化をして回復を図るものになります。
神経にダメージがあれば、神経細胞に変化。
筋肉にダメージがあれば、筋細胞に変化をします。
また、一個の細胞が変化をしても意味がありません。何千~何億個の細胞が変化をして細胞同士が集まることで神経になったり、筋肉になったりします。
しかし、何千~何億個の再生医療の細胞が身体に投与されたとしても100%変化するわけではありません。数%は、中途半端に変化したり・変化しなかったりします。その数%の細胞が集まり腫瘍となります。
また腫瘍が陽性なのか、悪性なのかわかっておりません。
現在、腫瘍化した細胞が陽性・悪性どちらに変化しやすいのか研究途中の段階です。
【拒絶反応】【腫瘍化】この2つは、再生医療を検討する上で最重要情報です。
・拒絶反応が少ない細胞や薬の開発。
・腫瘍化しないために変化力が強くなる方法や細胞の研究。神経系・筋系の一個手前まで変化させてから投与したりする工夫など。
拒絶反応・腫瘍化をなるべく抑えるための研究が現在も進んでおります。
この世には、メリットのみが存在する事柄はありません。
必ずメリット・デメリットはセットで考えないといけません。
今回の記事をご覧になり落胆されてたり、気分を害してしまったら申し訳ございません。しかし、これを読まれている方には過小評価も過大評価もして欲しくありません。私もなるべく正しい情報をお伝え出来るように努力しております。皆さんには、その情報をもとに再生医療の正しい知識を持って再生医療を検討して頂きたいと思います。