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再生医療等に関する法令について

再生医療等に関する行政書士業務の基礎として、まずは再生医療等に関する法令についての大枠を解説します。


再生医療関連三法

再生医療等に関する主な法律として、「再生医療関連三法」と呼ばれている3つの法律があります。

再生医療関連三法

①再生医療推進法
再生医療を国民が迅速に受けられるようにするための施策の実施を国や医師・研究者、事業者に求める法律で、この法律による法規制はありません。
法規制ではなく理念を定めるいわゆる「理念法」で、実務に関わってくることはありません。

②再生医療等安全性確保法
・再生医療等を提供しようとする者(医師、医療機関)が講ずべき措置
・特定細胞加工物の製造の許可等の制度
を定める法律で、再生医療等を治療法として法規制しています。
再生医療等に関する行政手続きのほとんどがこの法律に基づいており、再生医療等に関する行政書士業務をする上で非常に重要な法律です。
現場レベルでは「安確法」と呼ばれることもあります。

③医薬品医療機器等法
「薬事法」が改正されて名称変更された法律で、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器に加えて「再生医療等製品」が規制対象として加えられました。
再生医療に用いる細胞加工物を医薬品等と同じように製品として法規制しています。
この法律に基づく再生医療等製品も少しずつ増えていますが、まだまだ少なく、業務として成り立つ段階には至っていないかと思います。

再生医療等安全性確保法と医薬品医療機器等法の比較

薬機法と安確法

再生医療等に関して実際の法規制を定めている法律は再生医療等安全性確保法と医薬品医療機器等法がありますが、その違いはこの画像の通りとなっています。

再生医療等安全性確保法は再生医療等を治療法として規制しており、責任は再生医療等を行う者(医師、医療機関)が負うことになります。
再生医療等安全性確保法に基づく再生医療等を実施するためには、医療機関の管理者が手続きを行う必要があります。

一方で、医薬品医療機器等法では再生医療に用いる「細胞加工物」を医薬品や医療機器と同じように製品(再生医療等製品)として規制しており、責任は製造販売業者(再生医療等製品を開発し、上市する事業者)が負うことになります。
再生医療等製品を承認された範囲で用いる場合は、治療を行う医療機関では手続きは必要ありません。

この二つの法律の関係としては、(私は法律学の専門家ではないので必ずしも正しいとは限りませんが)再生医療等安全性確保法は医薬品医療機器等法の特別法となり、細胞加工物を医療機関に提供するためには本来であれば再生医療等製品として承認を受ける必要がありますが、再生医療等安全性確保法によって定められた手続きを行なっている場合は例外的に再生医療等製品として承認されていない細胞加工物を医療機関に提供し、治療に用いることができるという形で解釈できます。

再生医療等安全性確保法と関連法令等


再生医療等安全性確保法と関連法令

前述の通り、医薬品医療機器等法に基づく再生医療等製品に関する手続きは現状ではまだまだ少なく業務として成り立つレベルではないため、ここからは再生医療等安全性確保法について解説します。

わざわざ説明するまでもないかもしれませんが、法的拘束力を有する法令には法律以外に政令、省令があり、再生医療等安全性確保法にも下位に位置する法令として施行令と施行規則が定められています。
実務上は、再生医療等安全性確保法施行規則が重要となります。

また、法的拘束力はないものの、厚生労働省・厚生局における法令の解釈を示している通知・通達等も重要となります。
再生医療等に関する手続きを行うにあたっては、特に「課長通知」と「記載要領」が重要となります。
(リンク先は本記事執筆時点での最新のものですが、よく改正されているので最新のものを確認するようにしてください。)

そのため、再生医療等に関する行政書士業務に取り組むためには、まずは再生医療等安全性確保法、施行規則、課長通知、記載要領を読み込んで理解するようにしてください。

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