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【第22回】 「ロート製薬(細胞)」と「医療機関(治療)」と「特定認定再生医療等委員会」
今回は、「第21回」で書いた内容の「本質の問題点」及び「危険性」について、少し専門的に書いていこうと思います。
「特定認定再生医療等委員会」とは?
ネットで調べてみると…
よく使われている下記の図(※参考資料①)しか出てきません。
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今回の話は、上記(参考資料①)内の「第2種再生医療等」の内容に該当します。
「再生医療等の提供」までのプロセスでいうと、下記の図(※参考資料②)の通りとなります。
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「再生医療(幹細胞治療)」は、このプロセスを経て医療機関で提供されることになります。
上記「参考資料②」内の
「医療機関:ルネスクリニック東京」
「細胞培養加工施設:ロート製薬」
「特定認定再生医療等委員会」
「厚生労働省or地方厚生局」
が今回の事案に該当する「企業/施設」および「機関」となります。
まず、今回治療として行われたのは
「自己脂肪由来の幹細胞を用いた治療」です。
この治療を行う為には、
①「医療機関」が「提供計画書」を作成
②「特定認定再生医療等委員会」が審査し、
適正だとされれば承認という 「意見書」発行
③「医療機関」が「厚生労働省」に「届出」を提出し受理
このプロセスを得て治療を行うことが「可能」となります。
今回の事案においても
「医療機関」が作成した提供計画書における対象疾患について
「医師」は診断を行い「適用」と判断、
その後、「患者」に「治療」を提供。
という流れが存在します。
まず、言っておきたいのは、巷で流行りものとして、
訳の分からない利益追求集団が宣伝している「偽再生医療」にあたる
「エクソソーム」や「幹細胞上清液」の治療ではない事は、お伝えしておきます。
(※「エクソソーム」や「幹細胞上清液」自体をディスっている訳ではなく再生医療ではないと言っているだけです。「未承認薬」という基準でしか測れない治療であるという事実です。)
今回の問題となった治療は
「再生医療等安全性確保法」に則ったプロセスを得て行われた治療であることをお伝えし、その大前提の上で「問題点」を挙げていきたいと思います。
【問題点】を簡単に整理すると
① この提供計画書は安全だったのか?
② 使用される培養細胞は安全だったのか?
③ この提供計画書の特定認定再生医療等委員会の審査は適正だったのか?
④ 治療を行った医療行為は提供計画書通りだったのか?
⑤ 有害事象後の医療機関の対応は適切だったのか?
⑥ 有害事象後の特定認定再生医療等委員会の対応は適正だったのか?
⑦ 厚生労働省の対応は適正だったのか?
この大きく7点になります。
今回は、上記の【問題点】の洗い出しを行いました。
次回からは、この【問題点】の精査を行っていきたいと思います。