今のパリの花トレンドがわかる雑誌〜レビュー記事〜
数年ぶりに、「ベストフラワーアレンジメント」という雑誌を購入。
花屋という職業に憧れを持っていた専門学生の頃、初めてこの雑誌と出会いました。
ここ数年は、日本の花屋情報を得るため、フローリストという雑誌を選んでいましたが、パリという言葉に惹かれこちらにしました。
この雑誌の特徴
ベストフラワーアレンジメントという雑誌は、年4回、四季に合わせて発行されています。今回購入したのは、8月に発売された秋号。
日本の花情報はもちろんですが、海外の花屋情報が充実した花好きな方におくる雑誌となっています。
中を開くと、色鮮やかな写真が並びとても見ごたえがあります。
秋号の特集内容
今回の秋号は、
・パリ・ロンドンの最新スタイル
・15のキーワードで今のパリのトレンドを紹介
・お月見に飾りたい“月の癒しとムーンアレンジ”
・創刊90号を記念した特別企画など
が特集されています。
パリ・ロンドンの最新スタイルでは、パリで有名な花屋やアートを学び花の世界に飛び込んだ新星フローリスト、まるで誰かの家の庭を訪れているかのような園芸店が紹介されています。
どの店も店主のこだわりが詰まった花たちが並んでいました。
私が今回特に楽しみにしていたのは、15のキーワードとともにパリの花のトレンドが分かる特集です。
2023~2024年にかけて取材されたものなので、まさにパリの今を知ることができます。
その中でも、私が興味深いと思った3つのキーワードを紹介します。
パリのトレンド
1.染めの花
パリで特に注目されているのが、染められた花なのだそう。これは、意外でした。
パリの人は、ナチュラルなものを好むイメージがあったので、人工的に色付けされた花がトレンドというのは新鮮な情報です。
染めの花は昔からありますが、最近のものは品質が格段と良くなっているので、使用される機会が増えたのだとか。
最近、日本の花屋でも、染めの花が使用されているのをよく見かけます。
確かに“変わった色の花があるんだな~”と思うほど、染めとは気づかないレベルの色のきれいさがあります。
実際、写真を見ても、いかにも染められた花という印象はなく、自然な花の色ともマッチした染めでしか表現できない絶妙な色の花を見ることができます。
アプリコットやテラコッタ、シックな色が表現の幅を広げているのだと思いました。
日本でも人気のくすみカラーやきれいな水色の染めの花など、SNSで見かけるのでぜひ実際に手に取ってみたいですね。
2.テラコッタ
温かみを感じる、ナチュラルな雰囲気漂うテラコッタが今のトレンドカラー。
特に色彩にこだわりのあるフローリストたちに支持されているようです。
面白いのが、花だけではなく取材で訪れた店の女性フローリストの服装にもテラコッタが取り入れられていたのだそう。
トレンドカラーを楽しんでいる姿が想像できますね。
日本でも数年前に流行りましたが、もしかするとまた街中でテラコッタカラーを見かけることが増えるかも。
3.カンパーニュ・シック
まったく聞きなれない言葉ですが、田舎や田園を好むパリの人たちだから生まれた言葉、という印象を感じました。
もともと、田園風という意味のある“シャンペトル”というスタイルがあるのですが、それよりもさらに洗練された雰囲気があるものを意味するそうです。
「田園の魅力を感じさせながらも、エスプリの要素も込められている。」
エスプリとは、フランス語で精神や機知。フランス流の気の利いた表現やセンスを意味します。
写真では、ナチュラルさだけではなく、トレンドカラーなども入ったパリの風景が頭に浮かぶ作品を見ることができます。
個人的には、華やかさもあるナチュラル感という印象を受け、好きなスタイルだと思いました。
その他にも、バロック調の印象的なアレンジメントや日本の花とも共通するようなトレンドが紹介されています。
おしゃれなパリの人々が、今の暮らしにどんなスタイルの花を求めているのか知ることができる1冊です。
欲を言えば、後半の秋のアレンジたちがもう少しセンスのいいものだと、より満足できたかなと思いました。
Amazonなどでも購入できるので、花好きさんはぜひ!
ちなみに次回の冬号は、11月18日発売みたいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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