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#71 ハノンを一生懸命やっても曲のスケールが美しく弾けない理由をお伝えします!
こんにちは、さいりえです。
第71回のオンラインレッスンサロン note は、「曲の中にパッと出てくるスケール(音階)が美しく弾けない理由と、美しく弾くための練習方法」というテーマでお送りします。
ピアノを弾いている方は毎日のように直面するであろう「スケール」。
とくにハノンで練習されている方も多いと思います。
しかし、ハノンの練習をコツコツするだけでは、実際の曲に出てくるスケールを美しく弾けなかったりします。
これには明確な理由があるのです。
今回はその理由と、では「どうすれば曲の中のスケールをもっとなめらかに美しく弾けるのか?」というポイントや練習方法について、テキストと動画でお伝えします。
あなたの練習のお供にぜひ一度ご覧ください。
【このnoteのポイント】
・ハノンをコツコツやるだけじゃダメ?曲の中に出てくるスケールをもっと美しくなめらかに弾くためのポイント
【こんなお悩みに】
・曲の中にスケールが出てくるとガタガタしちゃう
・ただ弾いてるだけ、って感じ…
・流れにのって弾こうとすると安定しない
・ハノンの練習、本当にこれでいいのかな…
【このnoteの構成】
・テキスト
・動画解説(10.5分の動画)
※動画は vimeo のプライベートリンクを共有しています。
【例に取り上げている曲】
クレメンティ/ソナチネ Op.36-2 ト長調 第1楽章
モーツァルト/ソナタ 第13番 K.333 変ロ長調 第1楽章(少しだけ)
※一例ですので、他のさまざまな曲に応用いただけます。
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スケールは音楽の基本的な技術や大事な表現の一つ!
ピアノを弾いている方は毎日のように直面するであろう「スケール」。
ハノンのスケールを毎日練習している、という方も多いのではないでしょうか。
ハノンにはいろんな練習の仕方や目標があるでしょう。
・ゆっくりカッチリと弾く
・どこまで速く弾けるかテンポアップ
・音色やタッチを確認しながら
・体の使い方に気をつけながら
・調性感を感じて音に表せるように
など、いろいろあり、ゴールの像や練習方法も一つではありません。
ですが実際は、「一音ずつしっかり音を出して、ガッチリ練習!」と思って練習されている方が多いのではないでしょうか。
その練習が絶対に悪いというわけではないのですが(ここではその是非については語りません)、実は実際の曲では「一つずつガッチリ分けて弾く」ということはそうそうありません。
たとえばやさしいソナチネの中にもスケールはたくさん出てきますが、そこで求められるのは
・美しく、音楽の中に自然にあらわれるスケール
・歌の表情
・流れやテンポ感、キャラクター
・音色、調性感
など、音楽的な要求です。
もちろんそのためには技術が伴っている必要があるのですが、「技術=ハノン」ではありません。
それどころか、いつもハノンをガッチリ一つずつ弾いている習慣がついていると、曲のスケールで美しく弾けない!という問題が起こります。
ハノンだけでは曲を美しく弾けない?
その理由は、ハノンと実際の曲では、同じようにスケール、つまり隣り合った音がスラスラと並んで見えていても、本質がまったく異なるからです。
本質が違うということは、ほしい表現や音も違うし、そうなると弾き方も違う点が多くあります。
何が違うのか?というと、曲によってそれぞれ違うので一言では言えないのですが、大きな点として〈フレーズ感、流れ〉があります。
拍子や調性、キャラクターを持つクラシック音楽の中に出てくるスケールなので、ハノンの練習の音階とは違うのです。
また、4オクターブ音が敷き詰められているハノンのスケールと、断片的に少ない音でスッと出てくるスケールとでは、〈呼吸も体の動きも〉異なります。
このような「違い」を理解して適切に練習、研究しないと
・曲の中でもガチガチの硬いスケールになる
・なめらかに弾こうと思ってもうまくいかない
・とりあえず正確に弾けたけど、それだけ…
ということが起こってしまいます。
ではどうすれば良いの?
曲の中で、「こう弾きたい」というイメージを持って、それに沿った練習をすることが一番良いです。
具体的な練習方法や着眼点などは、この後にお伝えしますね。
また2番めの方法として、ふだんからハノンを美しく弾く、という点も大事です。
ただ、「美しく」といっても様々ですので(音が美しい、なめらか、リズムが良い、軽やか、深く歌う、など…)、特定の曲からインスピレーションを得てそれをハノン練習に生かすのがやりやすいかな?と個人的には思います。
かならずしも「ハノン39番の4分の2、4オクターブでリピート」という形でなくても構わないです。まずは1オクターブ以内でもいいし、真ん中の音域でも構いません。この辺りも、このnoteの後半と動画でお伝えします。
いずれにしても、「流れに沿って美しく弾く」ことを十分に意識して、その方向に向けて練習することが大切です。
ハノンについてお話し始めると脱線してしまうので、いまはこのくらいにしておきます。
▼ハノンの練習についてもっと深く知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
では、まずは曲の中のスケールを練習ポイントをお話していき、後半でハノンの練習についても少しお話します。
音型を観察し、少ない音数から練習してみる
まずは音型をチェックして、いくつかのパーツに分けます。
そして、少ない音数から練習していきます。
・1の指の移動がない、5本の指の中で弾けるパーツ
・一方方向の順次進行
がおすすめです。
つまり、「ドレミ」「ミファソ」「ソファミレド」などの音型です。
それが納得して弾けるようになってから、「ソファミレドシラソ」とか「ドミレファミソファ」などの、複合的な音型をやっていきます。
曲がややこしい動きをするためになめらかに弾けないようであれば、一度簡素化してしまっても構いません。たとえば、実際の曲は「ドミレファソ」であっても、まずは「ドレミファソ」で練習してみる。それで美しくスムーズになれば「ドミレファソ」にしてみる。という練習方法です。
※このあたりは、個々の技術や奏法、曲の内容にもよりますので、的確に音を選んでください。
どう弾くかイメージして、それにふさわしい「準備」と「動き」をする
選んだ音たちを、どんなふうに弾きたいか?というイメージがとても大切です。
このイメージがないと、美しく弾けません。
まず、的確な準備ができません。
イメージに沿って、音や体の動き、連なりについて具体的に探っていきます。
・呼吸はどのくらい?
・体の準備や、腕の準備は?
・大きな動作なのか、小さめな動作なのか?
・弾き始めてからの腕の導き方は?
準備が少ないと、途中で流れが止まったり音が硬くなったりしやすく、
準備が大きすぎると、やや大味な感じでコントロール不足にもなります。
たとえば、「ラソファミレ」と5コの音のスケールをなめらかに弾くのと、「ラソファミレドシラソファミレ」と12コの音のスケールをなめらかに弾くのとでは、感覚も準備も弾き方も異なります。
この違いを意識して、「いま弾きたいもの」に適切な準備と流れを見つけていきましょう。これがうまくいくと、かなり弾きやすくなります。
※実際の練習の流れの一例は、この後ご紹介する動画をご確認ください。
大らかな流れの中で、一つ一つの音のつながりや指の細かい動きもチェックしていく
呼吸や体の準備と、腕の導きがしっくり来るようになれば、今度はそれに沿って音を出しながら、細かいことも聴いて改良していきましょう。
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