![オンライン_レッスン_サロン__35__3_](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/19631243/rectangle_large_type_2_1d9ef8269ad6c76aa0decee6e7f2a6c3.png?width=1200)
#33 曲の冒頭、どのように弾き始める?【後編】音づくりから心と体の状態まで
更新のお知らせ:ケース6の動画リンクに一時的に誤りがありましたので修正しました。申し訳ありません!
こんにちは!さいりえです。オンラインレッスンサロンnoteも33回目となりました。今月もよろしくお願いいたします。
さて、前回のnoteでは、曲の冒頭をどのように弾き始めるのか?ということについて書きました。
今回は、その【後編】となります。
〜このシリーズの内容〜
曲の弾き始めは、最初の1音を出す前の準備やイメージがとても重要です。
しかも、どの曲でも同じ、ではありません。
そこでこのnoteでは、いくつかの曲のタイプ別に
・弾き始める前に意識しておきたいこと
・そのための準備や練習方法
についてご紹介します。
6つ以上の曲を例にあげて、それぞれ解説します
具体的には、次の6パターンを例に挙げてみます。
① なめらかに始めたいときに〜ショパンのノクターン・ワルツ〜
② きりっと始めたいときに〜ベートーヴェンのソナタ〜
③ メロディと伴奏など、複数の音や声部を立体的に弾き分けたいときに〜モーツァルトのソナタ〜
④ 和声的に曲をとらえるために〜シューベルト 即興曲Op.90-4〜
⑤ こころをしずめて〜ブルグミュラーのアヴェ・マリア・ベートーヴェンのソナタ「悲愴」〜
⑥ 途中からでも調整・修正できる状態で弾く〜ショパンのエチュードOp.10-10〜
・それぞれ、動画でご紹介していきます。
・曲は無限に(?)ありますので、リクエストがあれば以降の例もシェアしていきたいと思います。
このnoteをおすすめする方
こんな方のお役に立つかと思います!
・曲の世界に入れない
・流れが悪い
・弾き始めるとき、体が硬くなってしまう
・弾き分けてるつもりでも、どの曲も同じ感じになってしまう(曲の始めにかぎらず)
・「音」を出すだけでなく、音楽をもっと感じたい、描きたい
①〜③は1月のnoteでご紹介しました。(まだご覧になっていない方はこちらからどうぞ)
今日は、④〜⑥についてお話、動画をあげていきます。
★このnoteは、3本の参考動画を最後にまとめています。テキストは皆さまお読みいただけますので、サロン会員以外の方もどうぞお気軽にお読みください。
④ 和声的に曲をとらえるために〜シューベルト 即興曲Op.90-4〜
演奏するときに、「和声・ハーモニー」の響きを頭のイメージの中で構築して、その和声感や音色をもって個々の音を弾く、というのはとても大事なことです。
これは以前ツイッターでつぶやいたことですが、まさに、このツイートのお話です。↓
🔸和声を頭の中で先に鳴らす
— ぴあのぷらすメモ (@pianoplusmemo) June 17, 2019
単音やユニゾンを弾くとき、その音が属している和音を頭の中で先に鳴らす。
(練習の段階で、実際に音を補って鳴らしてみる)
和音の響きや色合い、タッチのイメージが固まったら、それを元にして単音、ユニゾンを弾く。
「ただ出しただけの音」にならないように。
これを曲の冒頭でもやってみる、ということですね。
和声を描いた演奏と、描かずに単音の連続として弾く演奏では、響きやまとまりや世界観・奥行きがまったく違います。
和声をどのように音にしていくか、はこちらのツイートもご参照ください。↓
🔸和音の構成音ひとつひとつ
— ぴあのぷらすメモ (@pianoplusmemo) November 11, 2019
ピアノでは、同時に6個や8個など多くの音を鳴らせる。
その構成音は、一つずつ意味が違う。
次に進む方向が決まってる音。
転調のきっかけの音。
和音のカラーを決める音。
たとえば短三和音の第3音は、どの指で弾いてる?
それぞれの音の響きと役割に耳をすませる。
今回のポイントを整理します。
重要なポイント
・細かい音も、ひとつのハーモニーとしてとらえる
・和音の種類、音域、響きに耳をすませながら音をさがす
・そのハーモニーの世界から曲を始める
・静かな曲でも激しい曲でも、基本のポイントは同じ!
動画ではシューベルトの即興曲をメインに、一瞬だけショパンのエチュードOp.25-12にも触れています。
※実践動画はこのnoteの後半でまとめてご紹介しています。
⑤ こころをしずめて〜ブルグミュラーのアヴェ・マリア・ベートーヴェンのソナタ「悲愴」〜
曲の始め方で、その人の音楽への思いや集中力、感覚が伝わります。
はじめの1音に対して、いや、その前の段階で、すごく丁寧に集中して世界を作ることが必要です。
(あまり構えずに、ぱっ!と出たほうがカッコいい場合もありますね、そのパターンも今度考えてみます!)
シンプルですが、ブルグミュラーを例にあげました。
重要なポイント
・心も体も準備できてから始める
・練習のとき、すぐに「準備万全な状態」を見つけなくても大丈夫。徐々に、その世界に入っていく感じ。
・心だけでは足りなくて、呼吸や体も準備できること。
・曲の途中でも同じ。
曲の途中の例として、ベートーヴェンのソナタの一部分も挙げています。
※実践動画はこのnoteの後半でまとめてご紹介しています。
⑥ 途中からでも調整・修正できる状態で弾く〜ショパンのエチュードOp.10-10〜
今度は、曲の雰囲気やキャラクターの話とは少し変わります。
「弾きながら、修正できる状態で弾く」というお話です。
ピアノって会場によって異なりますし、一音出してから「あれっ」ということも多いですよね。
そんなとき、
・がむしゃらに進む
・音楽にひたすら入り込んで弾く
・絶対にそれまでに決めていた通りに弾こうとする
という状態だと、なにか音色やバランス、響き、テンポ感、ペダリング、いろんなことをその場に合わせてちょっと変えていこう…としてもうまくいかなかったりします。
坂道をピューッと滑り落ちている状態みたいに、「あ!」と思っても、動けないんですよね。
どこかで、「冷静さや、コントロールできる自分」をもっておくことは大切です。
どんな曲でもそうなのですが、とくに今回例にあげたようなショパンのエチュードでは、休符やくっきりした場面転換のような「仕切り直し」の部分が少ないので難しいのです。
曲を弾き始める前に、きちんと自分のフォームや耳の状態を良いものにしておくことが大事です。
ただ、あまりに「様子をうかがう」ような弾き方ですと、それはそれで音楽が流れないので、バランスですね!
重要なポイント
・弾き始めたあとでもさりげなく修正できる精神状態、からだの状態で始める
・それは結果的に、「良い音が出やすいし自分の音・音楽を聴きやすい状態」でもある。
・音楽にのること、集中して入ることと両立できると一番良い。
※実践動画はこの下でご紹介しています。
ケース④⑤⑥の実践動画はこちらから
それでは、ここまで挙げた3つのパターン、内容をそれぞれ動画によるトーク&演奏でご覧ください。
ここまでお読みいただきありがとうございます!ときどき頂戴するサポートは主に書籍・楽譜の購入・もしくはカフェ時間にありがたく使用させていただいています。もし「とくに役にたったよ」「応援したい!」と思っていただけたらよろしくお願いします。※ご負担のないようにお願いします(^^)