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お節作りは儀式です。

毎年お節を作りますが、お節は作ることに意義があるなあと思っています。
その出来上がる過程は、普段の料理何倍も手間がかかり、面倒なことなのですが、それに向き合うことで、一年の厄を落として、新年に向かうという儀式のように思っています。

とは言っても、年に一度のことなので、手順を忘れてしまい、その都度調べます。
まずは時間のかかる黒豆からスタート。一晩煮汁に漬けて膨らんでからコトコトと数時間煮ます。そして、一晩寝かせます。

3Lの豆です。


黒豆だけでこの手間ですから、始まりから気合いをいれなければなりません。

そして、人参を花の形に切ります。
これが最も時間がかかり、五角形に切り、花びらの形にしていくのですが、かなり細かい作業なので、集中しないとできません。まるで写経をしているような気になります。

五角形がなかなか難しいー。
修行です。

人参が終われば、レンコンを花の形にし、一晩冷水で戻したドンコを六角形にします。
亀の甲羅に見立てるんです。亀は長生きですから、それにあやかるためです。
里芋も六角形に切ります。


こんにゃくは捻ります。
ゴボウは3センチくらいに木の枝みたいに切ります。
煮しめは3種類の調味料で煮ていきます。
出汁はドンコを戻した汁と昆布とカツオ節です。
人参とサヤインゲン、生麩、高野豆腐は塩主体の味で、里芋は薄味、あとは濃い醤油味。

栗きんとんは、栗を甘く煮て、裏ごしして煮汁で火を通したさつまいもとあえます。

田作りは、昆布巻きは…とまだまだ工程はありまして、とにかく手間がかかります。ざっと作れないようにわざとなっているのかと思うくらいです。

となると、やはり儀式なのかなと思うのです。

右肩がだんだん重くなり、弱音を吐きたくなり、伊達巻は今回諦めようかな…とかギブアップしたくなります。

お節づくりは登山に似ているかもしれません。

とりあえず出来上がり、やれやれと冷蔵庫に仕舞えば、年越しそばを食べる時間。

翌日の元旦に盛り付けをして、お雑煮と一緒に食べれば、山頂に登った気分です。

本当は真鯛を用意していたので、塩焼きにし、三の膳を作る予定でしたが、体力限界で今年は見送りました。

なかなか美味しくいただきました!

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