本物の作家の掘り出し方
自分の思う正しいことが歪であることを知り、それでも尚その行いを続けようと思っていることに気づけたら、それは作家性の目覚めです。
それは食習慣や毎日の入浴の仕方のような小さなことから人生のテーマのような大きなことまであるわけですが…
自分の思っている偽りない思いを自覚することこそが作品を描く時の根幹となります。
それは社会正義をなぞったものであってはいけません。もちろん本気で現代の社会正義こそが素晴らしいのだと思えているならそれでもいいのですが、でしたら漫画で描く意味はあんまりないですよね。
作品になって映える思いは「皆はこう思っているけれど、僕はこう思っている」という部分だからです。
それが正しいことかどうかは関係ないんです。
思いを作品として吐露した時に世の中の方がその価値は決めてくれるもんなんです。そうした価値を問い直すことこそ作家性だと言ってもいいでしょう。
創作作品は世の中の動かしにくくなった古い価値を問い直す、人類最後の切り札みたいなものです。昔自分をいじめたあんにゃろーでも、宗教でも政治でも、融通の効かない決まり事でも、自分ほど強く愛するものを振ったあの人にでも、もう今言っても仕方ないことになってしまった辛く自分に当たり続けた両親や先生が相手でも…
時を超え、場所関係なく…問い直し、戦えるのです!
さらに創作は一人一人の人間にとっては、弱さや歪さを許容してくれる癒しでもあります。歪さが自分だけでないと知る救い、同じ怒りを持つ人がいることを知る安心感、マニアックな趣味の共有、同じ方向性の苦しみや悲しみの存在を知る喜び…
そんな創作と出会ったから…僕らを救ってくれたから…今、あなたは創ろうと思っているのではないですか?
あなたがやりたいことは実はそういうことではないですか?
そしてそれは本音で描いたからこその…共感あってのものなのです!
己を知り、あなた自身を描きましょうよ!