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マンションを取り巻く状況の変化と2025年のこれから

さて、2025年になりまして、YouTubeチャンネルを開設して3年が経過しました。この3年を振り返ってみるとマンションを取り巻く環境は大きく変わったことを実感しています。マンションを取り巻く環境の変化とそれをもとに管理組合は今後どうしていくべきかということについて、2025年の最初にお話してみたいと思います。

先ずこの3年で大きく変わったことは大規模修繕工事をはじめとする工事費の高騰です。日本は長くデフレの状況が続きましたが、それでも工事費は緩やかながらも値上がりしていました。建設業界は3Kとも言われ、若い人から敬遠されがちなこともあり、高齢化が進んでおり、外国人労働者なしではとても現場が回らない状況になっています。以前は外国人労働者を使った方が人件費が安くなるということもありましたが、それも今は変わってきています。人出不足ということは、他よりも高いお金を払わないと人が集まらないとうことです。工事費のうち大部分は人件費ですので、それは確実に工事費に影響します。建築業界はIT化などによる省力化が難しく、人出不足の影響を直接受けます。また、この3年の間にロシアのウクライナ侵攻と円安が続き、原材料費が高騰しました。それも重なり、大規模修繕工事の見積を取ってみると長期修繕計画で計上されている金額を大きく上回り、資金計画を大幅に見直さなければならないマンションが多くなっています。

人出不足は管理会社にも大きな影響があります。新規のマンションの管理員さんを募集しても、管理会社のフロントといわれる担当者の欠員が出て募集しても応募がないので、管理員さんの時給や管理会社が募集する人員の給料を上げて募集しないと人が集まらないというようなことをよく聞きます。設備点検や定期清掃などを行う管理会社の下請業者も同様です。そのような状況により、この3年間は管理会社から管理組合に対して管理委託費の値上げの申し出が続きました。また、居住者からのクレーム対応により、担当者が疲弊して退職するよりもむしろ管理会社から管理委託契約の解約の申し出るということが異例ではなくなってきました。このようなことはこれまではなかったことです。

このような状況を踏まえ、2025年以降、管理組合はどうすればいいのかということになりますが、先ず言えるのは、これまでと同じことをしていては管理組合を運営していくにあたり必要となる費用が確実に足らなくなるということです。足らなくなれば当然、管理組合を運営していくために必要な管理費や修繕積立金を値上げしていかなければなりません。放っておくと管理費と修繕積立金を合わせて月額5万円などというマンションもこれから出てくると思います。それではマンションを買った意味も変わってきます。

管理組合が考えなければならない、これまでと同じではないこととは、管理会社任せ、人任せてとせず、自分事として自主的に管理組合が運営をしていくということです。管理組合の費用を軽減するために自主管理を検討されることがありますが、自主管理を行うためには、会計処理の問題や高齢化による成り手がいない問題などにより、実現は難しいのが現実です。高齢化対策として第三者管理が国土交通省などでも議論されていますが、それについてはまだまだ未知数であり、むしろコストは増大してしますのではなかと危惧されています。

自主管理は現実的ではない、第三者管理にもまだまだ問題があるなかで、やはり管理組合が目指すべきところは自主運営だと思います。自主管理は難しくても管理組合による自主運営は可能です。管理組合が自主的に運営をしていくために必要なことは、その管理組合にあったノウハウと仕組み作りであり、それを作るためには正しい情報が必要です。そういった情報を2025年も管理組合の皆さんにお届けしていきたいと思っています。


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