続・こうして店は潰れた 小林久先生の書籍 感想
今回は私の尊敬する人物の1人である小林久先生の紹介です。
小林久先生は山梨県を代表するスーパーやまとの元社長です。山梨県では知らない人はいないというくらい有名な人です。そんな小林久先生ですが、最後は破産をし、経営者として幕を閉じました。
※私が個人的に感じた内容でまとめています。
借金苦になっても解決方法はいろいろとある。
小林久先生は破産という解決方法を取っています。書籍の中に、「たくさんの債権者が債権放棄してきました」とあります。つまり、債権者が債権放棄をすれば、借金問題は解決すると捉えることができるのです。
一部金の債務免除で解決します!という文言は債権放棄と同じ意味になります。私が取っている方法はまさにこのやり方なのです。債権放棄を迫っているのではなく、債権放棄をせざるを得ない状況を作っているのです。
このやり方について、賛否ありますので、おススメできる人とそうでない人に分かれます。一概に「借金は放置しろ!」ということではありません。
社会的に認められているような人は破産が良いと思います。
理由としては、例え破産をしても、破産者としてのレッテル張りは少なく、社会貢献度が高いので、優秀な経営者として称賛されることが多い。そして、債権者も破産をすることで納得する部分が多い。
破産をしたことによって得られるメリットは計り知れない
正式に破産をしたことによって、債権者もあきらめがつく。
借金がすべてチャラになる。
破産によるデメリットは皆無
破産者として生きていくことになるが、経営者時代の功績が先行する。
自分の名前ではクレジットカードが作れない。(目安は7年間~10年間)
※協力者がいれば、しげじぃさんの方法でカードは簡単に増やせます。
破産をする唯一のデメリット
成功した法人の場合は破産費用も高額になる。
管財人つきなので、費用も時間もかかる。
個人破産であれば、1日で終わり、6ヶ月程度、免責を待つだけ。
倒産のうわさがうわさを呼び取引先との取引停止が相次いだ。
株式取引でいうところの売りが売りを誘う展開のことです。狼狽売りが加速している状態ですね。レートも見ずに投げ売りといったところです。
スーパーやまとの場合は銀行の担当者から倒産情報が漏れたようなことが書かれています。エリートだろうと、結局は人間です。そこをきっかけにスーパーやまとはダメになっていきました。銀行員の罪重し。
小林久代表取締役が行った数々の功績
イオンやイトーヨーカドーといった大手企業の傘下にも加わらなかった。独自路線を貫いた。
県内大手スーパーからの買収話。
自社でチラシの制作をするようにした。
なあなあで付き合っていた税理士、社労士を切って、思考回路がまともな若手に切り替えた。
デマンドコントローラーという節電器にし、電気代の節約に成功した。
赤字店舗を閉めた決断力。
金貸しのいたずら
メインバンクを替えると、よほど気をつけないと、足元を救われるぞ、都市銀行はすぐに手のひらを返すからな!とありました。貸しはがしのようなことがいつでも起きるわけです。こういったことが起これば、小さい会社はすぐに傾き始めます。
貸金業者から融資を受けて会社経営をされている方は本当に注意が必要です。私から質問を1つさせていただきます。
【質問】
銀行で例えますが、銀行が本気で回収を始めたら、御社はどうなりますか?
すぐに有事になりませんか?だとすれば、早期に対策をする必要があります。銀行が融資をしてくれているうちは平時ですが、急に金を貸さなくなった場合は、即有事となります。
有事の場合は通常通り、返済をしても完済はできません。返済方法の見直しも必要になります。そして、リスケジュールをやりがちですが、リスケジュールは無意味です。それらのことも理解しておきましょう。
大事なことなので2回書きます。
リスケジュールは無意味です。
リスケジュールがなぜ無意味なのか?
リスケジュールとは、貸し手側の都合だけで作り上げた返済プランだからです。借りた側(あなた)の返済プランで返済をしない限り、完済はありません。
貸した側の立場になって考えてみましょう。
貸した側はあなたに金を貸すことで利益を出し続けます。つまり、あなたとの契約が終わってしまえば、利益が出せないわけです。
貸金業者の仕事って何でしょうか?
誰かに金を貸して利益を出すのが仕事です。終わらせないようにするのが仕事でもあるのです。飛ばれないように程よく貸し、回収を繰り返し、また、貸すのです。それの繰り返しで、終わらせないようにしているのです。
融資を受けて、完済ってできましたか?
終わっていないのであれば、それが貸金業者のビジネスモデルということになります。
不要なレジ袋の買取はスーパーやまとが業界を牽引
小林久社長のアイデアにより、スーパーの業界は大きく変わりました。小林久社長が1番手、他のお店は2番手、3番手といったところです。
家庭の生ごみを仕入れる小林久社長
生ごみ処理機を導入し、お客さんにごみを捨ててもらう。これをやることでお客さんは生ごみの処理ができて、必然的に来店するようになります。ついでに買い物をして帰ります。
処理された生ごみが野菜を作るための肥料になります。野菜を自社で作りますが、その時の肥料になるものが、例の生ごみなのです。
生ごみを持ち込んだお客さんにはポイントを付与することを始め、これも大当たりしました。のちに環境団体や学校からの依頼が増えていったようです。
小林久社長はスーパーの経営者だけではなく、ビジネスマンでもある
アイデアマンの小林久社長の下にいろんな話が舞い込む。
アルミ缶を集めて、換金、寄付、プルトップで車椅子、古新聞、古雑誌、古着やリコーダーも集めてポイント還元をした。地域に貢献し、世界にも貢献した、そんな社長です。
何が素晴らしいのかというと、これらのことはすべて、ボランティアでやっていたのです!
ポイント還元のことを考えると、実際には手出ししています。行政がやる仕事をスーパーの経営者がやっているのです。しかも自腹で。
一時期流行った298円弁当の仕掛人の1人は小林久社長
ついで買いの王道、298円弁当の利益は?
なんと1個売れても50円、60円の利益にしかなりません。ついでに飲み物を買ってくれて、利益が増えていくといったことが書いてあります。
初日から完売続出だったようで、大盛況ぶりがわかりました。今のセブンイレブンの底上げ弁当と大違いです。商売愛を感じます。(笑)
そして、弁当に入っている野菜は、自社で作ったものです。その野菜を作る過程で、肥料になっているものは、買い物に行くついでに持ち込まれた、お客さんの生ごみが肥料になっているようです。
とてもすばらしい循環型モデルです。
書籍に書かれたノウハウ(不動産)
親族に落札してもらい、名義だけ移して、安い家賃で済み続ける抜け道がある。(リースバック)
すってんてんの場合は、退去命令が出るまで住んでおきましょう。
※しげじぃさんも似たようなことをやって回避しています。
破産後の日々の生活
箇条書き
破産後、転職活動をした。
妻と郊外のディスカウントショップに出かけた。
破産者はクレジットカードが作れないので、デビットカードを作った。
自分のことを書き留めておこうと思い、最初の【こうして店は潰れた】を出版した。
起業は勧めない。
教育委員時代の報酬を交通遺児財団に寄付し、そのお金が巡り巡って、評価を受ける。
おわりに
今回は尊敬する師でもあります、小林久先生の書籍の紹介です。
小林久先生の書籍に【日陰者】という言葉が頻繁に出てきます。日陰者の秘密が知りたい方はぜひ読んで見てくださいね。
小林久先生の書籍を購入すると、本の印税で小林久先生が潤います。小林久先生を応援したいという方はぜひ新品で購入ください。
こうして店は潰れた 小林久
続・こうして店は潰れた 小林久