存在
佐佐木政治 1956年10月17日 ノート「詩集 青い枯れ葉」より
月の匂いがしてくる
また本当の顔に出逢う
本当の顔はいくどみてもあきない
死の彼方から 銀色のわずかばかりの光がとどくと
ぼくはまた あの世界の柵の所にたたずんでいる
銀色の粉雪が 静かに舞ったり
白い光の中で ポプラがかがやいたり
闇の中で プラタナスの葉が散ったり
月夜の垣に 霜が降りていたり
しかもあの世界は決して失われはしないし
私の足音は どこへも散りはしないのだ
いいなと思ったら応援しよう!
亡父の詩集を改めて本にしてあげたいと思って色々やっています。楽しみながら、でも、私の活動が誰かの役に立つものでありたいと願って日々、奮闘しています。