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NOT A HOTELとは何なのか?入社1年3ヶ月で感じた5つの組織文化

こんにちは、NOT A HOTELの西丸です。本日は有給をいただいております。

2023年5月にメルカリを退職し、その翌月からNOT A HOTELで働いています。入社エントリーを書こうと筆を取るものの、気づけば入社1年3ヶ月という月日が経っていました。相変わらず、HRとPRの間のような仕事をしています。

この間、組織は46名(私の社員番号)から222名(2024年9月)にまで成長。とても大きな変化ですが、恐ろしいほどあっという間でした。

今回のnoteでは、NOT A HOTELに入社した理由に触れつつ、この1年3ヶ月で感じた“NOT A HOTELの組織文化”について、個人的な視点で書き留めたいと思います。

間違いなく、私の社会人人生のなかで、もっともエキサイティングな1年3ヶ月でした。それゆえ、書き始めたら長編の在職エントリーになってしまったので、目次を見ながら摘み読みしてみてください。

それでは一気にいきます。

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NOT A HOTELとは何か


NOT A HOTELの事業を言葉にするとなかなか理解されにくいので、まずはこちらの映像をご覧ください。

このような日本各地にある「絶景」と呼ばれる土地に、唯一無二の建築をつくり、それを複数のオーナーで共有する。そんなサービスを展開しています。

2020年4月。ちょうどコロナが流行しはじめた頃、代表である濵渦さんが創業。2021年に発表した「NOT A HOTEL NASU」では、8億円超の“別荘”をECで販売したことが大きな話題を呼びました。しかも、わずか24時間で15億円分が売れるという…とんでもないニュースに驚愕したことを覚えています。

2023年12月には、建築家の藤本壮介さんが設計を手がけるNOT A HOTEL ISHIGAKI(石垣)が、1棟42億円で販売。NOT A HOTEL史上最高額にもかかわらず、完売するという出来事もありました。

このように、これまでの不動産やホテルの常識では到底考えられないようなビジネスと仕組みを、わずか数年で実現しているのが、NOT A  HOTELです。

NOT A HOTELを創業した背景については、濵渦さんのnoteに記されていますので、ぜひこちらご覧ください。私は25回くらいは読んでいるかもしれません。

NOT A HOTELに入社した4つの理由


では、そんなサービスを展開するNOT A HOTELに、なぜ入社したのか。事業(プロダクト)と組織の両面から振り返りたいと思います。

1.ミッションがシンプル、しかし壮大

先ほど、少しだけサービスの説明をしましたが、多く方々からは「NOT A  HOTELは富裕層向けのサービスなんでしょ?」と必ず言われます。必ずです。確かにリリース当時は、NFTやDAOをはじめとしたWeb3サービスもなかったので、より小口化して販売するという概念はありませんでした。ゆえに「自分は関係のないサービス」と捉えられていたと思いますし、実際のところ今もそう認知されている側面もあると思います。

ただ、私たちは「すべての人にNOT A  HOTELを」というミッションを掲げています。大切なのでもう一度言いますが、「すべての人に」です。現在の認知や状況とミッションとの距離はものすごく遠いと思いますが、だからこそやる意義があるし、とてもワクワクしたのを覚えています。これまで一部の人たちだけ享受してたサービスを民主化する。これはとてつもないチャレンジだと捉えました。

濵渦:よく勘違いされるのですが、僕らは「富裕層向けの別荘」をネットでバンバン売っているわけではないんです。やりたいことはその真逆で、これまで富裕層しか体験できなかったことの民主化です。そのために「すべての人に『NOT A HOTEL』を」というメッセージを掲げ、誰にでも手が届くものにしたいと考えているんです。

【ACC特別対談】PARTY中村洋基 × NOT A HOTEL濵渦伸次

2.国籍を問わない、非言語サービス

コミュニケーションを基本とするC2Cサービスも大好きです。ただ次のチャレンジは「言語や文化の壁を超えて、人々が魅力されるプロダクトに携わること」でありたい。これが転職活動の一番の軸でした。「綺麗だな」「美しいな」「ゾクゾクする」あるいは「美味しい」もそうかもしれません。人が感覚的に捉えるプリミティブな衝動は、何にも代え難い(尊い)体験だと思っていて、それは建築やアート、デザイン、食やサービスなどの領域に象徴されるかもしれません。

NOT A HOTELを初めて知った時の感覚がまさにそれでした。見た瞬間、建築に足を踏み入れた瞬間、言語を超えて感動を与えられるプロダクトであり、日本のみならず世界に拡張できるモデルではないか?と、当時は本当に安直だったと思いますが、そう信じて選考へエントリーしました。もちろん、今でも強く信じてますし、まさにいま全社をあげて海外販売にチャレンジしている最中です。

ちなみに、まだ言語を話せない息子はNOT A HOTELでの居心地が良すぎるのか、毎度早々に電池切れになります(笑)。こちらは会社の旅行補助を使い、NOT A HOTELに宿泊した際のもの。家族も大喜びでした。

プールではしゃぎ、早々に充電切れとなる息子(当時1歳)@NOT A HOTEL NASU
同じく充電切れとなる息子(当時2歳)@NOT A HOTEL AOSHIMA

3.仕事を含む、人生をもっと楽しく

NOT A HOTELは、土地探しからチェックアウトまで、体験のすべてを自社で手がけています。ですので、社内には建築士、宅建士、弁護士、宅建士、会計士、マーケター、編集者、シェフ、ソムリエなどそれぞれの道のプロが在籍し、NOT A HOTELをつくっています。

そこで、ふと思ったんです。同じ会社でこんなにも幅広い専門家と一緒に仕事できる職場って他にありますかね?と。実際、入社して一番最初に出たミーティングでの会話は「ここの建築は源泉かけ流しですか?」でした。社会人人生のなかで、入社してよかったと思えるエピソードベスト5には入る瞬間でした。

衣食住をはじめ多様な領域から得る知識は自分の人生を豊かにする。NOT A HOTELがまさに、そのド真ん中でした。

シェフやソムリエと囲む食卓は大変豊かです(写真はソムリエの横に座る経営企画の津田さん)
NOT A HOTELの食と体験のボス・林さん(左端)には遊び心を学ぶ日々(写真提供:YOPPY

4.ワクワクとサステナビリティの両立

個人的にNOT A HOTELへ入社したいと思える、最後の後押しになったのは、この濵渦さんのnoteでした。

NOT A HOTELが目指しているのは本当の意味での「持続可能性」という話。低稼働なホテル、別荘地の空き家問題など、日本には使われていない、あるいは放置され続けている建物が数多く存在します。

実際、NOT A HOTEL AOSHIMAのあるエリアにはかつてホテルの廃墟があり、この建物が取り壊され、瓦礫が埋まったまま数十年「空き地」になっていました。

それから瓦礫を撤去することからはじまり、そのエリアの一部にNOT A HOTEL AOSHIMAができました。昨年には、県内の地価が下落するなか、唯一青島エリアだけが上昇するなるなど、注目を浴びるエリアとなりました。

もちろん、NOT A HOTELだけが要因ではなく青島エリア全体の賜物ですが、NOT A HOTELができたことで、少なくとも周囲にプラスの効果を与えられたと考えると、これはとても素晴らしいことじゃないかと。

「ワクワク」と「サステナビリティ」が無理なく、むしろ楽しみながら両立することで生まれる価値もあることを知り、ますますNOT A HOTELのビジネスそのものへの考え方に興味を持つようになりました。

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このように事業や組織の考え方に共感し、いざNOT A HOTELの門を叩くことに。気づいたらHRの麻美さんとカジュアル面談をしていました。選考スピードも、体験もとてもよく、この方は信頼できる!と感じたのも大きかったです。

入社当時、麻美さんと二人三脚してた時代がもう昔のよう

ちなみに濵渦さんとの最終面接は、いわゆる面接ではなく、趣味やキャリア、NOT A HOTELのこれからについて会話を重ね、あっという間に終了。手応えのようなものは一切図れず(笑)、一抹の不安を抱えていましたが、無事にオファーをいただき、胸を撫で下ろしました。

入社前の最後の休日、NOT A HOTEL NASUの目の前に広がる牧場へ

NOT A HOTEL、5つの組織文化


ここまでNOT A HOTELに入社する前の話をしてきましたが、ここからが本題(長い)。すでに入社から1年3ヶ月が経ちますが、そのなかで感じた、NOT A HOTELの組織文化について、あくまで個人的見解で書いていきます。

1.常軌を逸し、超ワクワクをつくる

コロナ禍にホテルで起業し、初めてのシードはポエムで調達。しかもそのお金で那須の牧場を買うという濵渦さんの行為そのものが常軌を逸してるのですが、そのDNAは会社に強く根付いていると思いました。

例えば…

  • 素人にホテル事業なんて、できるわけがない。

  • CGパースで販売するなんて、できるわけがない。

  • 不動産をNFTで販売するなんて、できるわけがない。

  • 岩の上に建築するなんて、できるわけがない。

by NOT A HOTEL 特設採用メッセージサイト

など、NOT A HOTELはこれまで絶対無理と言われることを何とか乗り越えてきました。NOT A HOTELのバリューの一つに「超ワクワク」がありますが、超がつくほどワクワクしないと、人の琴線には触れることができない。逆に言えば、超ワクワクしないと判断したものは、たとえリリース前でも世に出さないという判断をします。サンクコストは気にせず、最終的なアウトプットに価値があるかが重要(社内のハードルは高いです)。そんな考え方を濵渦さん自らが社内に呼びかけているからこそ、建築、ソフトウェア、サービスなど、前例のないことにチャレンジできたのではないかと思います。以下、弊社の投資家であるANRI代表 佐俣アンリさんのエピソードは、個人的に大好きな話です。

佐俣:僕はNOT A HOTELの投資家でありながら、NOT A HOTELを購入しているオーナーでもあるのですが、先日オーナー向けの連絡に恐ろしさを感じて。「何かな」と思ったら、「〇〇という理由で、今回歯ブラシを変更しようと思います」という連絡がPDFで届いたんですよ。これはちょっと「常軌を逸しているな」と。だって、コストカットとかでもなく、こだわりを突き詰めてアメニティの一つである歯ブラシを変更しようと思うって。

投資家と起業家が本音で明かす“NOT A HOTELのすべて”ー佐俣アンリ×濵渦伸次

「常識を疑う」「絶対無理を超える」。このようなキーワードこそ、“NOT A HOTELたらしめている文化”だと個人的に感じています。

2.肩書を決めず、ミッションに向かう

NOT A HOTELの社内を見渡すと、自らを肩書で名乗る人が少ないことに気がつきました。もちろん一人ひとりの専門性は非常に高く、プロフェッショナルな方ばかりなのですが、常に片方の足はさまざまなジャンルにピボットしている。ファイナンスもやり事業開発もする。開発をしながらブランディングもする。常に複数の持ち場を反復横跳びしながら、目的のためにコトを前進させている方々を見て、入社当時は「すげぇ…」と圧倒された記憶があります。

加えて、すごくいいなと思ったのは、そういう方ほど独りよがりにならず、周囲を巻き込みながら、相互にカバーし合ってるという点でした。スタートアップらしいと言えばそうなのかもしれませんが、大きなことを成し得るためには、多くの人を巻き込んで前進させることが大切なんだなと。

建築や運営チームをはじめ、肩書きを固定せずに「体験」をつくり込んでいる。写真はLifecycle Managerの元ちゃんと、NOT A HOTEL KITAKARUIZAWA支配人の串間さん(最高ペア)。

逆に言うと、「自分はこれしかやりません」と他領域をバリアしてしまうと、NOT A HOTELでは足枷になってしまうかもしれません。むしろ、自分の領域を拡張することに、楽しさや喜びを抱ける人こそ、NOT A HOTELらしい人だなと感じるようになりました。

元CXOのガイさんが海外販売にチャレンジしたり、元CFOのムネさんがセカンダリーマーケットの構築にチャレンジしたり、と経営陣自らがそれを体現していることが、メンバーを鼓舞していると思います。

3.組織の真ん中に、プロダクトがある

入社理由でも触れましたが、NOT A HOTELは土地探しからチェックアウトまで自社で手がけ、多様なプロが、NOT A HOTELという一つの体験をつくっています。まさに先日リリースしたこちらの映像には、そんなメッセージが込められています。

NOT A HOTELは迫力のある美しい建築だけをつくるのではなく、それに相応しいホテルマネジメントも自社で手掛けています。料理もサービスも清掃もNOT A HOTELの体験をつくる重要な要素であり、皺(しわ)一つないベッドメイキングや徹底されたクリーンネスは、ただただ美しいの一言に尽きます。

NOT A HOTEL AOSHIMAで働く東さん。業界未経験ながら、今ではエースと呼ばれるほどに。
NOT A HOTEL NASUの新拠点であるCAVEの竣工式。来賓を迎え入れる、その最後の最後まで清掃を続ける建築PMの平井さん。
超ワクワクな体験をつくるためにはソフトウェアチームが欠かせません。写真はNOT A HOTEL AOSHIMAで開催されたハッカソンに挑む、エンジニアの北斗さん

このようにハード、ソフトの違いはあれど“NOT A HOTELはNOT A HOTELしか手掛けていません”。だからこそ、組織の中心には常にプロダクトがあり、メンバー全員がプロダクトを向いて仕事できているのではないかと思います。すべてのチームの意識が同じ方向に向く組織は強い。

4.ワンチーム評価で、成果を分かち合う

NOT A HOTELには、いわゆる定期的な個人評価がありません。その根底には「多くの時間を費やす評価の時間を、プロダクト=顧客やユーザーのために使いたい」という想いがあります。定期的な個人評価ではなく、あくまでチームでの成果に着目した制度になっていて、年度初めに定めたカンパニーベット(OKR)の達成度に応じて、全メンバーの昇給率・賞与が決まります。

チームで一番になることを意識すれば、結果的にコトに向かう意識を持つようになる。このカルチャーを「ワンチーム評価」というかたちで仕組み化するのは、とても本質的だと感じました。独自の評価制度もNOT A HOTELらしい組織を体現している一つです。Nstockさんの記事に、その背景がよくまとまっているので、ぜひ。

5.いいプロダクトは、いい組織から生まれる

最後に一つ。NOT A HOTELの中の人、めっちゃいい人たちばかりです。これは単なる「優しい」という意味ではなく、物事の変化や周囲の意見を素直に受け止められる人。変化に柔軟な人という意味合いが強いです。採用においても、このポイントは徹底されていますし、「迷ったら採用しない」という意識も浸透していると思います。

入社前の自分は「(いい意味で)こんなプロダクト、どんな人によってつくられているんだろう?」と疑問を抱いていましたが、いいプロダクトは、いい組織から生まれる。答えは超シンプル。一緒に働く仲間こそ、一番の福利厚生だと思ってます。

半年に一度、お決まりの集合写真@全社オフサイト
ガッと集まり、ガッと花見を楽しむNOT A HOTELメンバー
BIG小池さん(中央奥)を招いたイベントの打ち上げにて。NOT A HOTELを愛してくれるのが深く伝わるイベントでした。

以上。あくまで個人的見解ですが、NOT A HOTELがNOT A HOTELらしくある組織文化の話でした。

「超ワクワクする人を増やす」というミッション

なんとなく、「NOT A HOTELについては理解できたけど、西丸は何をしているの?」という声が聞こえきそうなので、最後に少しだけ自分の話をして締めたいと思います。

自分のミッションは「NOT A HOTELに超ワクワクする人を増やす」ことだと捉えています。いまのフェーズだと、わかりやすく「採用」へのニーズが高いですが、組織が急拡大するなかで求められる社内コミュニケーションや社内外へのPR活動もその手段のなかに組み込まれています。

これからNOT A HOTELで働く人(採用候補者)だけではなく、いまNOT A HOTELで働いている人も含め、会社やプロダクト、組織の未来に思いを馳せるきっかけをつくること。これが自分自身の役割かなと、最近思うようになりました。

この1年3ヶ月で、たくさんのイベントをやりました。記事もたくさん書きました。遠足はじめ、社内イベントも無駄に盛り上げました(と信じたい笑)。ムービーやサイトもつくりました。デザインコンペの企画運営も。

一見、バラバラなように見えますが、自らのミッションと照らすと一貫しています。

全国各地を巡りました(写真はみなかみにて、建築PMの齊藤さん
多くのありがたい話を聞かせていただきました(写真は取材で訪れたFLOWERS NEST
社内向けの大人の遠足では、気合いと愛を込めて企画。初回はNOT A HOTEL KITAKARUIZAWAへ向かい、貴重な建築フェーズを見学してきました。
プロダクト同様、社内イベントとはいえ妥協は一切許しません。NOT A HOTELは全員がクリエイターです。みなさん、発想が柔軟で大胆。
素人なりに、写真もたくさん撮りまして、一部からはインハウスフォトグラファー(素人)として認知されてます。
毎月の新入社員オンボーディングでは、NOT A HOTELへ向かいプロダクトを体験するところからスタート。
NOT A HOTEL DESIGN COMPETITIONは、いよいよ本番へ。国内外の1490グループがエントリー。年末、いよいよ次のNOT A HOTELが決まります。超楽しみです。

振り返れば、いろいろなことにチャレンジさせていただきました。

ただ自分自身、会社からの期待に100%応えられているか?と問われたら、まだまだできていません。周囲にも迷惑かけてばかりで、そりゃ自分自身に嫌気もさしますが、この自ら掲げたミッションが揺るがない限り、手段を問わずチャレンジしていきたいと思いますし、そんな人を応援できる一人でありたいと、いちメンバーとして思っています。

長くなりましたが、以上となります。NOT A HOTELのみなさん、外部パートナーのみなさん、いつも本当にありがとうございます。

全方位で採用強化中


最後の最後に告知だけ。

引き続き、NOT A HOTELは全方位的に採用強化中です。ここまで読んでくださった方は、NOT A HOTELを気にかけてくださっている方だと確信しているので(笑)、ぜひ気軽にお声掛けください。


つい先日、NOT A HOTELのグループ採用サイトもリニューアルしたので、ご覧くださいね。ではまた次のnoteでお会いしましょう!

人生初のプールをNOT A HOTEL NASUで経験するも、終始号泣する息子。大きくなったらこの写真を一緒に眺めたいと思います。できればNOT A HOTELで。

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Ryo SAIMARU
Editor / Mercari, Inc.(People Branding / Corporate Communications) ← CINRA, Inc. ← Smiles Co., Ltd. ← The Master of Public Policy