なぜ戦略に煩わされるのか?

 鈴木君(オレンジ)は、スタートラインのポートエンド近くで堅いスタートを切りました。最初のタックで、ポートで3艇の後ろを通り、5分間ポートのまま走りました。 5度のポートヘッダーが入り、スターボーにタックバックします。 2艇がポートでスターボーのレイラインに向かって走り続けます。風はスターボーにリフトし続け、鈴木君はフリートの大部分よりも優位になり、今やフリートは風下に見えます。 風上マークに近づきながら鈴木君はポートにタックを返します。 右艇団の一部はスターボードレイラインにもうのっていて、鈴木君より少し前にいるようです。


無題

 鈴木君はスターボードに戻した。 しかし、レイラインの3艇身風下側で、右側から来る艇団のリーダー艇の前にバウが出るようにタックしました。

「岸の見え方が右に移動している、岸とマークのトランジットをとっているとクルーに伝えたところ、潮でマークに届きそうだ、下し目で走ろう」とクールーは答えました。

結果、鈴木君は、コースの左側で、持続的な右シフトを逃した左集団にたいして、ゆうゆうリードでき、上マークをトップで回航しました。  スターボーレイラインにいた艇は、潮の判断を誤り、鈴木君たちのトランサムの後ろに向かって下して走っています。

この展開で、ラッキーだった点や良い戦略はあったでしょうか。

<鈴木君の考察> 

・私たちは、スタート前に30分間シフトを測り、4~ 5度から10度前後シフトを繰り返していたことがわかりました。また、平均風向は次第に右に移動し、今朝の予報と一致してました。
・私たちはピンエンドで潮を測りました。 ラインの左から右へ流れていました。 潮汐表は、これが数時間続くことを示しました。
・ラインをチェックしたとき、ポートに非​​常に偏っていたが、最初のシフトでポートにタックできるように、ピンエンドから少し離れたところからスタートすることにしました。 潮が心配だったので、安全なトランジットをとりましたた。私たちが後ろを通ったボートがOCSではなかったと聞いて、驚いています。」

鈴木君は、予告信号前の利用可能な時間をしっかり使用して、レース展開の絵を想像しました。 この絵は、スタートプラン、1上、風・潮・他艇に直感的に反応するのに役立ちました。

レース前のプランは、レース中、もしくはレグの最中にも、状況の変化に応じて発展していきます。また、レース/レグの戦略も外部要因で変わっていきます。  レース艇以外の要因です。 

次回からは、レースで直面する可能性の高い、主要な「環境要因」について、場面を設定しながら焦点を当てていきます。 また、その状況に応じた、理想的なストラテジーを提案し、セーリングスタイル、目的、レガッタの状態とタイプが意思決定に影響を与える可能性を議論していきます。

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