お寺の冬支度「雪囲い」
雪の重さによる建物の損傷や倒壊を防ぐために、雪国では冬に入る前に「雪囲い」を行います。
雪囲いの作業、当山の場合は大体11月15日前後に行われます。
当山のある新潟県上越市は豪雪で知られる場所ですが、このように雪囲い・冬囲いを施すことで雪の重み・圧力を分散し、建物や樹木を守ることが出来ます。(それでも大雪の年だと、損傷したり、樹木の枝が折れることは多々あります)
雪囲い外しは、当山だと大体三月下旬頃に行います。
雪囲いは建物全体を木で覆う(囲う)ので、部屋に入って来る太陽光も三分の一くらいになります。
ただでさえ冬期間の日照時間が少ない雪国(気持ちのいい青空が一日中広がるのは月に1~3日程、曇り空から太陽が差し込むのが週に1~2日程ではないでしょうか。あとは曇りか雪、雷、強風の日が12月~3月中旬は大半で、大風は3月下旬まで続きます)なので、心身のバランス的には大変なものですが、しかし木造の建物を守るためには必要不可欠なことであり、中々難儀なものというか、雪国で暮らすうえでの”宿命”のようなものでしょうか。
雪囲いして下さる業者の方には本当にいつも感謝しております。
雪囲いが外れる頃には、梅や桜、青空が広がる「春」がやって来ます。
(花粉も飛んで来ますが……)
雪国人にとって、冬は耐えるものであり、その先にご褒美のように春が待ってくれています。正確には、春までもう少しだぞ!とご門徒や町内の皆さまと励まし合って、みんなで耐えていくのですが、とにかくそれだけ春というのは、雪国人にとって特別な季節となっています。
(副住職)