コンセプトの大切さを再認識〜坂本龍一さん個展にて〜
10月21日より、東京都現代美術館にて開催されている坂本龍一さんの大型インスタレーション作品を包括的に紹介する、日本では初となる最大規模の個展「坂本龍一 音を視る時を聴く」に行ってきました。
私、普段は美術とは縁遠い生活をしているのですが、今回あるご縁からチケット販売のお手伝いを少しだけした関係でこんな機会をいただきました。
私にとっての坂本龍一さんと言えば、YMOに「戦場のメリークリスマス」に「ラストエンペラー」に「いけない!ルージュマジック」と。
ホント、申し訳ないくらいの知識量なので、何か感想を言うのもおこがましいのですが、純粋にとても面白い「時空間」体験でした。
浸る芸術⁉︎
YMOからも解るように?、常に時代の先端を多彩な表現活動を通して切り拓き続けてきた坂本龍一さんですが、個展の解説によると90年代からはマルチメディアを駆使したライブパフォーマンスを展開されてきたそうです。
そのテーマは、「音を空間に設置する」という芸術的挑戦と「時間とは何か」という深い問いかけ。
従来の音楽鑑賞や美術鑑賞とは異なる体験を生みだす挑戦は、鑑賞者に新たな視座をもたらすものであると言えます。
そして、今回の個展。
没入型・体感型「サウンド・インスタレーション」作品が10点あまり展開されています。
この手の体験をしっかりとしたのはほぼ初めてだったのですが、「後ろに仕事入れておかなければよかった」と思いました。
もっと「浸っていたいのにー」と。
スケジュールの都合上1時間半弱しか時間がなく、これまでの自分を考えるとそれで時間は十分だろうと思っていたのですが、いや〜、失敗したな、と。
3月20日まで開催しているので、改めて平日に時間をとって心ゆくまで浸りに行きたいなと思っています。
これは主催者さんには申し訳ないのですが、出来るだけ空いている時に行こう、と。
その方が独り占め&没入できますからね。笑
コンセプトこそが全ての礎
ここからは私が勝手に感じたことですが、全ての作品を観て思った、感じたのでは、「コンセプトの存在」です。
そのコンセプトが何なのか?の詳細を理解しているわけではないですし、それを語ることもできないのですが、明らかにそこに「コンセプト」が存在しているなと感じるのです。
現代アートというのは表現方法はさまざまです。
表現方法は、その作品のコンセプトを表現するために必然的に選ばれたものであり、「なぜその表現方法なのか?」の理由は、コンセプトそのものにあるというか、そもそも「なぜその表現方法なのか?」という問いかけ自体が意味がないと勝手ながら感じました。
これ、自分の仕事のジャンルに置き換えても一緒だな、と。
よくマーケティングの相談で、「SNSはどれをやった方がいいですか?」とか、「どのメディアを使うのがいいですか?」と最初に聞かれることが多いのですが、その時いつもお答えするのは、「まずは誰に何を伝えたいのか?を決めてから考えましょう」ということ。
コンセプトファースト―――
いつ何時どんなケースでも一緒なのではないか―――
坂本龍一さんの個展会場にて思ったのでした。