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食材を無駄にしない救済料理

なにかと多忙な我が家、熱湯に溶かすタイプのインスタントスープを常備している。夫がキャンベルの粉末スープが好きで、仕事の合間などに自分で作って飲んでいたりする(これなら自分で出来るので・笑)。私も目新しいスープを店頭で発見すると買ってきてストックしておくことにしている。

色々なメーカーが出している「淡路産玉ねぎのスープ」が私は好きで、品を変えつつ愛用している。あめ色になるまで炒められた玉ねぎの甘さとコクで満足度が高く、朝食にパンと一緒に添えたりしている。つい先日もスーパーで初めて見る商品を買って期待して飲んでみたのだが、それは今一つ好みではなかった。残念だがまだ20袋入りのうち2袋を2人で消費したばかり。我慢して飲むのもちょっと違うし捨てるのも心が痛い。どうにかアレンジできないものかと考えた。

そうだ、ポトフに入れてみよう。ちょうどキャベツに玉ねぎ、にんじんもあった。ブイヨンの代わりにそのスープを使ってみた。口に合わなかったとはいえ、出汁としてならいけるのでは?と思ったのは大正解。野菜やお肉の出汁と足し算されていい感じに仕上がった。ちなみに我が家は年々減塩志向になっている(健康に気を付けるのもそうだが、味覚として塩辛すぎるものを受け付けなくなった)こともあり、スープのパッケージに記載されている「食塩相当量」で塩分量も把握出来るメリットがある。目分量に頼りがちなので尚更。野菜炒めやチャーハンの調味料にするのも有り。

そんな風に食材の救済が出来た時にはちょっと嬉しくなる。もうひとつは、かぼちゃを煮付けた時のこと。かぼちゃの品種もよく見ないで買ってしまい、肉質的なものか水っぽく仕上がってしまったことがあった。2、3切れなら我慢して食べるけど鍋いっぱいに作ってしまった。捨てるには罪悪感が大きい。

そんな時に、北海道出身の友人のことを思い出した。彼女がよく故郷の食べ物を語る時に出てくるのが「いももち」。蒸かしたじゃがいもをつぶして片栗粉を混ぜて平たく丸め、フライパンに油を敷いて焼き、砂糖としょうゆで甘じょっぱく煮からめたもの……というニュアンスで何となく聞いていたが作ってみたことはなかった。しかし友よ、私はここで閃いた。いももちの要領でこの失敗かぼちゃを再生できないかと。

とりあえずかぼちゃをつぶして片栗粉を混ぜる。丸めてみるとそれっぽくなって、これは上手くいくのでは?と期待が高まる。フライパンに油を敷いて焼いていくと、薄いオレンジ色にしっかり焼き色が乗ってくる。そして甘じょっぱい味を絡めていくと、見た目は本当に美味しそうに仕上がった。随分前の話なので写真は残っていないが、当時書いていたブログにもそういえば載せていたな……(とうに削除済み)

食べてみると見違えるように美味しくなっていた。これは再生作戦大成功。幸か不幸かあれ以来、外れかぼちゃには当たっていないので作る機会もなかったが、そのうちまた作ってみようかと思う、かぼちゃもち。

そういえば以前に元同僚から、みりんとひとつまみの塩でかぼちゃを煮ると美味しいよ、と教わったのを思い出した。先日かぼちゃをそのレシピで煮てみたところ、半信半疑だったのが一瞬で覆るほど美味しかった。次もそれで煮てみようと思う。

口に合わないものや失敗したものを捨てる前にうまく再生できると、自分がちょっと持続可能な行いをしているような気になるけれど、そこに至るまで散々勿体無いことをしてきたのもまた確か。反省を込めて〆とする。

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南城さいき
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