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ゲームで学び、ゲームを学ぶ(17)-「4対4」のゲーム②段階的にポジションを与えていく

はじめに

前回では、ローテーションを踏まえた段階的なゲーム作りを取り上げました。ローテーションが影響するのはレセプション・アタック時です。攻撃参加人数を3人にすることを前提に、プレーヤー・ポジションが変わることで、レセプションのフォーメーションが変わります。前回記事の「具体的なゲーム」の段落の「ローテーションを理解する段階」を踏まえて、具体的に解説していきます。

段階的にポジションを与えていく

セッターペネトレーションを学ぶことは、チームの意図を反映した合理的なレセプション・フォーメーションをつくることに繋がります。セッターペネトレーションを学んでいく過程で3つの段階を踏まえると良いでしょう。バックアタックでの攻撃参加はありです。なお、○は前衛、●は後衛、番号は背番号、背番号にアンダーラインがある選手がセッターを意味します。

1.セッターのみポジションを決める段階

セッター(1番)以外の選手はポジションがきまっていません。基本的にレシーブをして、その位置からサイド(レフトかライトか)からの攻撃に参加するとします。具体的なレセプション・フォーメーションは以下の通りです(図1)。シンプルな形ですが、この段階ですでにローテーションの前後左右の関係を理解する必要があります。

図1 セッターを決める段階

2.ミドルブロッカーのポジションを決める段階

セッター(1番)とミドルブロッカー(4番)以外の選手はポジションがきまっていません。ミドルブロッカーはレセプションに参加させない場合です。具体的なレセプション・フォーメーションは以下の通りです(図2)。複雑になりますが、この段階では「1.セッターのみポジションを決める段階」をしっかりと理解していれば、実現することができます。ローテーションで勘違いしやすい、斜めの選手との位置関係はルール上では関係ないことも確認できます。

図2 ミドルブロッカーを決める段階

3.ウイングスパイカーのポジションを決める段階

すべての選手にポジションがある段階です。ミドルブロッカーはレセプションに参加させず、かつ、ウイングスパイカーは得意な位置から打ちたい場合です(3番がレフト側、2番がライト側)。具体的なレセプション・フォーメーションは以下の通りです(図3)。前段落に似ていますが、2番目(S4)と4番目(S2)のレセプション・フォーメーションが前段落と異なります。この段階でも「1.セッターのみポジションを決める段階」をしっかりと理解していれば、実現することができます。なお、ローテーションで勘違いしやすい、斜めの選手との位置関係はルール上では関係ないことも確認できます。

図3 ウイングスパイカーを決める段階

まとめ

今回はあくまでもローテーションのルールを覚えることが目的ではなく、ローテーションの制約が及ぼす影響をレセプション・フォーメーションを例に挙げて、具体的に理解することを意図したものです。ローテーションを踏まえて、段階的にポジションを加えていくと、ポジション(役割)が決まっていくほど、レセプション・フォーメーションが複雑になっていくことがわかります。このことは、チームの攻撃の作戦や意図は、レセプション・フォーメーションに反映されることを意味します。次回は今回と関連させて、トータルディフェンスとしてのサーブをどのように機能させていくかを解説したいと思います。

▶︎縄田亮太のプロフィール

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バレーボールに関する記事を執筆しています。バレーボーラーにとって有益な情報を提供することをコンセプトにしています。