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ゲームで学び、ゲームを学ぶ(18)-「4対4」のゲーム③サーブ戦術
前回から引き続き「4対4」のミニゲームについて取り上げていきます。
今回はサーブを工夫して打つことによって、どのようにトータルディフェンスを機能させるのか、いくつかの具体例を挙げて説明していきます。
はじめに
前回はローテーションを踏まえて、段階的にポジション(役割)が決まっていくほど、レセプション・フォーメーションが複雑になっていくことを説明しました。このことは、チームの攻撃の作戦や意図は、レセプション・フォーメーションに反映されることを意味しています。今回は、相手レセプション・フォーメーションに対して、トータルディフェンスとしてのサーブをどのように機能させていくかを解説したいと思います。【ゲームで学び、ゲームを学ぶ(14)-「3対3」のゲーム③ディフェンスの課題1】の「はじめに」で説明した、オフェンス側の攻撃参加の「準備を不十分にすること」「選択肢を減らすこと」をどのように実現するかに焦点を当てます。
すべての選手にポジションがある段階とします。○は前衛、●は後衛です。1番がセッター、2番・3番はウイングスパイカーで、4番がミドルブロッカーとします。基本的に3番はレフトから、2番はライトから、4番はセンター(Aクイック)で攻撃参加したいとします。バックアタックでも攻撃参加する位置は同じです。ミドルブロッカーはレセプションに参加しないものとします。
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1本のサーブで複数の選択肢を減らすこと
サーブに対して1人がレセプションをするので、サーブで意図的に崩すことができるのは1人と思いがちですが、それは違います。人数が増えるほど、コート中での選手の動きがお互いに干渉することになります。そのような仕組みを利用するのが、サーブの狙い目の原則です。今回は、前提として3人が攻撃に参加してくる場合を想定して「どこを狙えば3人中2人の準備を不十分にし、選択肢を1人できる可能性があるか」という観点から考えてみたいと思います。なお、サーブを狙う位置は×で示します。
具体的なサーブの狙い目
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図1(S1)をご覧ください。3番がレフトから、2番がライトから、4番がバックアタック(センター)で攻撃参加してくると仮定します。この場合、3番の右前付近で態勢を崩しながらレセプションさせて攻撃参加を阻み、かつ3番が態勢を崩し、その場にいることで4番のバックアタックの助走路を塞ぐことができれば、選択肢を2番のみにできます。
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図2(S4)をご覧ください。3番がレフトから、2番がバックアタック(ライト)で、4番がAクイックで攻撃参加してくると仮定します。この場合、3番の右前付近で態勢を崩しながらレセプションさせて攻撃参加を阻み、かつ3番が態勢を崩し、その場にいることで4番のAクイックの助走路を塞ぐことができれば、選択肢を2番のバックアタックのみにできます。
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図3(S3)をご覧ください。2番がバックアタック(レフト)から、3番がバックアタック(ライト)で、4番がAクイックで攻撃参加してくると仮定します。この場合、3番の左前付近で態勢を崩しながらレセプションさせて攻撃参加を阻み、かつ3番が態勢を崩さずとも、4番のAクイックの助走路を塞ぐことができれば、選択肢を2番のバックアタックのみにできます。
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図4(S2)をご覧ください。2番がライトから、3番がバックアタック(レフト)で、4番がバックアタック(センター)で攻撃参加してくると仮定します。この場合、3番の右前付近で態勢を崩しながらレセプションさせて攻撃参加を阻み、かつ3番が態勢を崩し、その場にいることで4番のバックアタックの助走路を塞ぐことができれば、選択肢を2番のみにできます。
まとめ
このようにサーブによって、選択肢を複数減らせる可能性があることがわかります。前述の4つのケースはあくまでも例です。今回は3番と4番を攻撃参加させたくないことになっていましたが、どの選手に攻撃参加させたくないか・参加させたいかによって、サーブの狙い目が変わってきます。つまり、前提として、サーブの練習は、相手が攻撃を仕掛けてくるまでをサーブ練習と捉えられる視点を持つことが重要なことを意味します。6対6では人数が多い分、相手の情報が複雑になります。4対4であれば、比較的シンプルでトータルディフェンスとしてサーブの狙いを試行錯誤できるゲームになりやすいためお勧めです。
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