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目で見ること

昨晩、娘を迎えに車を走らせていた時のこと。

信号を右折、次を左折、

スピードダンパーがあるので速度を落とす。

緩やかなカーブを経過すると、

左手にコンビニ、真正面に橋が現れる。


橋へと向かう登り坂に差し掛かった時、

橋梁のアーチがいつもよりも明るく輝いた。

何事か?


ふと空の方を見上げると、

雲の隙間から三日月が煌々と輝いている。

なんと、美しい…


月夜越しのアーチ、なかなかの光景。

今すぐ車を停め写真に収めたい衝動に駆られる。

が、

走行中、

橋の真ん中、

迎えの時間、

前の信号青、

(コンマ1秒)

うーん、無理だ!


ならばと思い、目に焼き付けることにした。

ゆっくりめに走らせながら、

眼力(メラメラ)。


今日の月いいなあ。

また見えるかな。


淡い期待を残しながら、

木々が生い茂る桜並木通りを通過する。

あっという間に駅前に近づく。

ああ残念。

街の明かりと建物たちで月は何処へやら。


駐車ゾーンに車を停めて、

車中から月を探すが、ビルしか見えぬ。

駅前は空が狭い。

娘が出てくるのを待つ間、

月が綺麗だぞと妹にメールを送る。


娘をピックアップし、再び発進する。

「ちょっと三日月がすごい綺麗なのよ!」

とっておき情報を伝えるも、

「そーなのぉー?」

とすぐさまSpotifyでTWICEをかけて歌い始める。

ダメだ、三日月なんて興味ゼロだよ。


まだ輝いているであろう三日月を背に車を走らせ、

再会を願うが、結局雲に姿を隠したままだった。


焼き付けた三日月を脳裏に再生する。

何でもかんでもパシャ、

ファインダーやレンズ越しではなく、

然りとこの目で見ることも時には大切かな。



幼稚園の運動会の時、園長先生が

「ビデオ撮影も良いですが、しっかり目で見て応援してあげてくださいね」

と言ってたのを思い出す。

レンズ越しに見る小さな姿より、
目の前で頑張る姿は幾分も大きく見える。

簡単に切り取った光景より、忘れまいと目に焼き付けた光景の方が賞味期限も長い。

何より、両手が塞がっては拍手もできぬ。


まもなく1か月遅れの運動会。

この目でしっかり焼き付けないとな。

隣の保育園からも、何やら賑やか音楽が聴こえる。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。👀

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