虫おわる

木犀のにほひを形見に聲をとじぬる
仰ぎ見た先に、露とのこりし光風霽月
つめたき下草だにゆく友々となりて
この小夜物語がまた一巻しまひけり

赤銅色に波は溶けうちつく磯は冷やかに鳥たかし


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