東南アジアは複雑且つ魅力的。
■イオンモールベトナム。
・最近のニュース、「2024年3-11月イオンベトナムは増収増益で日本、中国に次ぎ第3位。ASEANではインドネシアとカンボジアを上回り首位」。
・イオンモール株式会社(千葉県千葉市)は「2024年度(2024年3月1日~11月30日)決算に関する資料を公表」した。
・「同期におけるベトナムの営業収益は124.6億円(前年同期比+13.7%増)、営業利益34.3億円(同+19.3%増)」となった。この数値は「日本(営業収益2562.5億円、営業利益302.8億円)、中国(同504.3億円、同42.8億円)に次ぐ第3位」であり、更にベトナムは「ASEANにおいてインドネシア(同71.5億円、同1.8億円)とカンボジア(同68.7億円、同2千万円)を上回りトップ」となった。
■記念日や季節行事。
・同期間において「7月19日にベトナム最高指導者である共産党書記長の死去に伴い、国内では外出や消費活動で自粛ムードが見られ同社モールでも賑やかな集客イベントの実施を中止するなど売上や集客に影響が出た」。また「9月には大型台風が北部エリアに上陸し、同社の一部モールでは専門店が臨時休業」となった。
・マイナス影響を一部受けたものの「ベトナム国内の消費は総じて堅調に推移しており、7-9月の既存モール専門店売上は前期比+5.8%と伸長、10月『ベトナム女性の日』や11月『ブラックフライデー』などの記念日や季節行事に合わせたセールスやイベントを計画的に実施し売上拡大を図った」。
■イオンモールが無い国。
・余談、ベトナムにおけるイオン1号店はホーチミン市『イオンモール タンフーセラドン』2014年1月、2号店をハノイ『イオンモール ロンビエン』2015年10月にオープンしてから現在迄に7店舗が展開されている。
・一方、近国タイにはイオンモールが2店舗しかなく、「既存の競合他社が強力であること、イオンが他の市場に優先的に投資していること」等がその理由として挙げられる。確かにバンコク市内に点在する他のフードモールに行くと、イオンモールに行かずとも必要なモノは大抵買い揃えられる事に気づかされる。
・以前私の『note(日本の常識でアジアは図れない)』でも書き留めたが、東南アジアでは経済成長が著しく且つ中間所得層の増加に伴いベトナム然りポテンシャル市場であるカンボジアは今後もイオンモールは店舗数を増やしていくだろう、タイ市場に関しては上述の通り投資機会を見据え引続きウォッチする。またフィリピン等イオンモールがまだ進出していない国では「他のショッピングモール運営企業が強力、新規参入が難しい」事から同社は他国への投資を積極的に行う方針が窺える。いずれにしても小売業の海外戦略として今後も東南アジアは複雑且つ魅力的な市場である事は間違いない。