〜七味唐辛子のなかにケシのみ〜「日本では阿片を津軽と呼んでいた」
「日本では阿片を津軽と呼んでいた」
〜七味唐辛子のなかにケシのみ〜
日本でケシの栽培が初めて行われたのが
津軽だという説もあるそうなんです
津軽と言うと
現代ならリンゴや三味線、ねぷたなど
きっとそういう感じを思いつくのだと思いますが
その昔、「津軽」はアヘンを意味していて
多くの昔の人は津軽と言うとアヘンと連想したそうです
弘前藩が製造していたという
一粒金丹(いちりゅうきんたん)をご存知でしょうか
これは阿芙蓉(あふよう)、
すなわち阿片(アヘン)を主成分とする
鎮痛・強壮剤
藩士や御用商人に一粒、或いは数粒渡されてたそうですが
のちには効能書付きで弘前藩指定の場所で売られていたようです
弘前藩がアヘンの原料のケシをいつから栽培してたかはわからないみたいですが、1600年頃の記録には阿芙蓉の採取記録も残っているようで
室町時代に南蛮貿易によってケシの種がインドから伝播したんだとか
新潮新書『阿片の中国史』の中
日本で阿片は「津軽」と呼ばれ、痢病などに効果があるという記述がありました。
江戸時代に、阿片のことを「津軽」と一般名詞化されて呼ばれていたと言うことは、阿片=津軽と思われるくらい、津軽と阿片は密接な関係にあったのかもしれません
今でこそ弘前はりんごの主産地ですが、昔の方々はどのようなものを作っていたのか実に興味深いです
ちなみに、アヘンと言うといかがわしいですが
一粒金丹は漢方薬
れっきとしたクスリ
中国の医書「医学入門」にもその製法が出ているようで
時代や使い方などにより同じものも随分印象が違いますね。
ところで
アヘンというとぐんといかがわしく感じてる
ケシのみですが
何気なく私たちは接しているんですね
ご存知の方も多いと思いますが
七味唐辛子の中にちゃっかり入っているんですね
七味唐辛子、中にはメーカーによって違いはあるものの
陳皮(ちんぴ)と呼ばれるみかんの皮、シソ、ごま、海苔、生姜、菜種、山椒、ケシの実、麻の実がよく使用されているそうです。
七味唐辛子、大丈夫なのでしょうか
そんな心配がされますが
実はケシの実や麻の実は、良質なタンパク質だそうで
しかも、食用の麻の実は、
麻薬としての成分が少ない品種のものを使っているそうで
もちろん食べても安全だそうです
ちなみになんですが、
発芽させて栽培されないように、きちんと加熱処理までしてるそうです。
なので普通に食べている分には、なんの問題もなさそうです。
大麻に関してですが
近年実はスーパー植物として注目されてるそうで
どういうことかというと
紙をはじめ、洋服や、プラスチック、家を建てるための木材としても活用できるんだとか。
建材や紙を作るための木を育てるのに、本来であれば20年以上かかるところ、麻であれば、3ヶ月という年数で済むのがその理由なんだそうです。
そして
さらに麻の茎には、従来の木材と比べて4倍ちかい繊維パルプが含まれているというのです。
意外な事実、興味のある方は是非調べてみて下さいね
記事編集者/鈴木勇(グローバルキッチンサイゴン所属)
参考図書サイト/新人物往来社『青森県謎解き散歩』
新潮新書『阿片の中国史』
http://www.mutusinpou.co.jp/北方史の中の津軽/2009/10/8658.html
https://macaro-ni.jp/35056