純正調ロック
レッドツェッペリンの胸いっぱいの愛はミとシの5度離れた二つの音の重音ではじまる
5度はなれた重音は固有の響きをする
たとえて言えば異なるものをコップにいれてかきまぜると
不思議なことに透明な液体になる(なるように調律して行く)というような音の経験
その液状の音はこの肉体をも溶かしていく実体をもつ
ピアノというメディアをその5度の 透明な響きで調律してゆくと 転調できなくなるという
転調可能というのは取り替え可能ということ
それぞれの人のもつ気持ち良さは そもそも取り替え可能ではない
取り替え可能な平均的画一的に調律された、
そして調律さえされなかったメディアである ピアノが鳴っていた音楽室が無味だったのは
そこに理由があったのではないか
低音の5度の重音が
短3度でも長3度でもない人差し指のチョーキングが
ロックなんだと思う
それは純正律の爆襲だ