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ザ・ポップ宣言(仮題) 岩谷宏著 1980年

高校生だった。書店から注文した。
髪の毛をシャンプーではなく石鹸であらうようになったのはこの本を読んでからだった。それは20代半ばまで続いた。その間、岩谷さんの影響を強く受けていたと思う。
ポップ宣言がでてしばらくして、ロッキングオンのレビューのなかだが記憶によればポップアートといえるのは日本で茶碗を作っている職人さんの仕事だというようなことを岩谷さんは書いていた。
現状の無収入の淵源をたどっていけば ここに至るだろう。

岩谷さんはロッキングオンをやめてコンピューター関連の著述活動をはじめるのだがその前に雑誌をつくっている。排他的論理和というタイトル。ロッキングオンとポンプの読者や投稿者が参加していた。私も参加していた。2.3年はつづいたと思う。書き続けるのが大変だった。
橘川幸夫さんの思考図である「よはとつ」と排他的論理和という用語は関連性があると感じている。比較すればおもしろい。

ポップ宣言のなかに「土建と交通」という項がある
・・土木建設業と交通輸送機関整備事業を今後いっさいやめる
社会の土木的・交通的な交通は現状で凍結する
このことを前提として人間の新たな活動の仕方、生活の仕方、楽しみの仕方を考えてゆく
(毎年、どこかの工事場で必ず死ぬ農民、これは現状の戦死者であり、現代のピラミッド造成の犠牲者だ・・・・・・
これは70年代の文脈の中にあるテキストだと思うが70年代の思想(家)なのではない。これと同じようなことをロッキングオンにも書かれていたと記憶している。そこには農村の女性のことが書かれていた。母の姿と重なり忘れられなかった。音楽雑誌にこの種のことをかいていたのは後にも先にも岩谷さんだけだろう。そのまなざしが今の 犬や猫、動物たちの保護活動につながっているのだと思う。

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