古事記の神統譜は日本書紀第二別伝、第四別伝を「合成」した形になっている
古事記本文の書き出しは、日本書紀第四別伝の後段とほぼ同じであると述べました。
この後、古事記本文は以下のように神々の名を記しています。
次に国稚く浮かべる脂の如くしてくらげなすただよへる時、葦牙の如く萌騰る物によりて成れる神の名は宇麻志阿斯訶備比古遅神。次に天之常立神。
次に成れる神の名は国之常立神。次に豊雲神。
この順序は日本書紀第二別伝に似ています。
第ニ別伝はこう記します。
古に国稚く地稚かりし時に、譬えば浮かべる膏の猶くして漂蕩り。時に国の中に物生れり。此に因りて化生づる神有り。可美葦牙彦舅尊と号す。次に国常立尊。
実は第二別伝は、この後、国狭槌尊を登場させています。国常立尊に続いて、豊国主尊が登場するのは、日本書紀第一別伝です。
この点を除くと、古事記本文は、第四別伝に第二別伝を接ぎ木して合成したような形になっている事が分かります。
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