「『11と2』が二組ある」も「答え」だと言うこと
7/27の「5枚目の数字づくり」のお題はこれでした。
パッと見て、「11と2」が2枚づつあると気づいた人も多いと思います。それで、子どもたちが「11と2」が2つづつあるね、って言ってきたら、そう、それも答えだよと言ってあげる・・・
そういうのも「アリ」だと思うわけです。
どうして、「11と2」が2つづつあるが「答え」になるかと言うと、
(11、2)、(11、2)と言うように、4枚のカードの数字を全部使って、11と2の組を2つ作れるからです。そして、最後に「2」組作れたの「2」が答え=(五枚目の数字である「2」を作った)といえるからです。
え?、足し算も引き算も掛け算も割り算もしてないじゃん?、そんなのおかしい?
ですって・・・。
問題文に書いてあるルールは、「4つの数字を1回づつ全部使う」、「どんな計算をしてもかまいません」です。
そして、11と2の組を2つ造るは、4つの数字を1回づつ全部使っていますし、ある種の「計算」をしているから、「正解」になりうるのです。
実際にポーカーチップを並べて「計算」をやってみると分かります。
例えば、2+11は、
2枚のチップと11枚のチップを別々に積んだ後、両方を一緒にして13枚のチップが積まれた状態にしています。
また、2×11を計算する場合は、
2枚づつ積んだチップの「山」を11個並べる事で出来ます。
つまり、「計算」とはあるルールに従って、チップを並べている事に相当しています。「計算」の中で出てくる「2」とか「11」とかと言う数字は、2個づつチップを「積む」とか、11列「並べる」とかと言う「操作」の時に使われているわけです。
ある数についての計算は、その数についての何らかの「操作」をしている事であって、「+(足す)」とか「×(かける)」とかと言う「記号(計算の種類)」は、その操作がどういうものかを示していると考える事が出来ます。
では、2と11の組を造るのはどうでしょうか?
チップを2枚積んだ山と11枚積んだ山で「組」を作っていますね。
これで、(2、11)と言う「結果」を造った事になります。
「『2』と『11』から(2、11)を造る」と言うのは、「2+11」や「2×11」と同じ立派な「計算」なのです。
え?、でも、2+11=13、2×11=22とある「数」が出来るけれども、(2、11)は、ただ2つの数が並んでいるだけで「数」になっていないじゃないか?
ですって?
(2、11)は、「ベクトル」と言う立派な「存在」です。
[ベクトルに対して、2、11、13、22などの「単独」の数はスカラーと言います。]
問題文にはどこにも「ベクトル」を使ってはいけないとは書いていません。スカラー(数)を組み合わせてベクトルを造る「操作」をするのも立派な「計算」です。
では、以上のような説明をして、子どもがこう聞いてきたらどうすべきでしょうか?
じゃあ、足し算とか引き算とか掛け算とか割り算じゃなくても、どんな「計算」でもいいの?
いいよ。でも、その計算がどういうものか、ちゃんとチップを積んだり、並べたりして、見せてね。
チップを積んだり、並べたりすることは、その操作方法を「明示」することです。
自分の空想の世界で勝手に思ったと言うのではなく、他人にそのルールが伝わるように示す事です。
スポーツでもゲームでも、参加する人には「ルール」が分かるように示されています。あるルールに従って「操作」することを「関数」として定義して、「関数」によって、「オブジェクト(対象)」を動かしていくのが「プログラミング」です。
「ここにトランプが1組じゃなくて、1000組あるとする。(2、11)の組は全部で何組できる?」って聞いてみたら、子どもたちはどう答えるでしょうか?
ポーカーチップとトランプを使った「算数」は、とても広い世界に子どもたちを導いていくことができるのです。
2週間予報は、立秋(8/7頃)から百日目(立夏から100日後=8/12頃)まで連日、雨が降るとしています。
どうやら、「雨の音にぞ驚かれぬる」立秋になりそうです。夏ニンジンの種まきチャンスかもしれません。
五枚目の数字づくり、本日のお題は、「1」、「11」、「12」、「4」を使って、「7」を造るです。
頭の中で考えていないで、実際にポーカーチップを積んだり、並べたりしてやってみましょう。
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