はじめての佐賀 玄界灘の猫島へ①
もうずいぶん前のことのように思えるが、9月の旅ははじめての佐賀へ。できるだけいろんな空港を利用してみたく、佐賀空港の往復を予約したが、直後から、もしかすると福岡空港を利用したほうがアクセスはよいかもしれないという気が、ものすごくしていた。実際行ってみて、場所にもよるのだろうが、たぶん福岡空港のほうが楽ですはい。
今回の旅のテーマも猫島。地図で言うと福岡と長崎に挟まれた佐賀の北端、玄界灘にうかぶ島・加唐島。佐賀空港は反対側、有明海に面しているので、ずどーんと佐賀県を突っ切って北上していく必要がある。加唐島はイカで有名な呼子から船が出ているのだが、呼子は電車でのアクセスがなく、車もしくは唐津からのバスということになる。直前までレンタカーを使うか悩んだが、今回も公共交通機関で頑張った。
7:30羽田発のANAで佐賀へ。すぐにバスに乗り込み佐賀駅へ向かう。飛行機の出発が遅れたので難しいかと思ったが、なんとか予定していたJR唐津線に間に合い、1時間と少し。佐賀駅は新しく自動改札もあったので何も考えずにICカードで入場したが、唐津駅の改札で引っかかり、駅員さんにイラっとされてしまった。唐津線はICカードが使えないとのこと、ご注意を。
次のバスまでの間に、知り合いに勧めてもらったお寿司屋さんまで汗をかきかき歩く(駅前にタクシーはいなかった)。ご主人とお話をしながらボリュームたっぷりのランチをいただいた。ほぼ無意識に頼んでしまった生ビールも、汗だくの身体に染み渡ったのであった。どれもおいしかったが、なかなかお寿司屋さんで食事をする機会もないので、地のさかなの握りを頼んで寿司を堪能すればよかったかもなーと少し後悔。昼間から地元の方でにぎわう、気持ちのいいお店だった。
バスターミナルまでまた歩き、呼子行きのバスを待つ。目の前を、福岡空港行きのバスが発車していくのをじっとりと見送る。やはり…福岡の方が断然アクセス便利じゃねえか…
ともあれバスに乗り込み、途中寝落ちしながら呼子に向かっていく。呼子も唐津市内だが、小一時間くらい揺られただろうか。イカの聖地に到着したのは午後3時すぎだったと思う。
加唐島に一泊する方法もあったのだが、せっかくなら有名な呼子も見て回りたい、朝市もぶらつきたいしあわよくばイカも食べたい…などと欲を出したのであったが、とんでもなかった。わたしが到着した時間なぞには朝市の名残もなく、有名なイカのお店はとうに店じまい。そうなると、呼子は夕食のお店にも困る単なるちいさな港町と化していた。
行く前からいろいろ調べて、どうやらイカにありつくのは至難ということはうすうすわかっており、期待しないでおいた(その代わり昼に少し奮発してお寿司屋さんに行くことにした)のだが、これほどまでに…とがっくり膝をつきたくなるほど見事に入れるお店なしなのであった。
今回のお宿は、ビジネス旅館富士屋さん。
素泊まり4500円。古いがきれいに手入れされた気持ちのよいお宿。切り盛りするご夫婦もとても親切で、まちのことをいろいろ教えていただいた。呼子のバス停から歩いてすぐ、朝市も近い。近くにスーパーもあるので、今回の夕食はスーパーのお惣菜を買って部屋でひとり酒盛りといくことにした。イカを食べる予定でしたか、とおかみさんがひどく心配してくださって、かえって申し訳ないくらいだった。
ひと休みして散歩に出ようかと思っていると、おかみさんがやってきて、猫を探しているなら、このあたりにいるはず、などと教えてくれた。うれしい。宿の脇から裏に出ると、海に面して港までつながる歩道になっていて、地元の小学生などがちらほらと歩いている。こういう道大好き。
島も好きだが、港町も好きだ。海があって、船があって、生活がうかがえる道具や小屋など、港町ならではの景色やにおいが好きだ。何より、猫に出会えることが多いのがいい。港町に猫がいる景色は、最高に絵になるなあと思う。
港近くや朝市通りをうろうろ歩き、台場みなとプラザに着いた。もう夕方で、めぼしいおみやげは残っていない。その場で食べられるいかしゅうまいなどのスナックも終わっていた。残念。週末のお昼ごろなどは、大混雑なのかな。金曜夕方は、まちもかなり静かだ。
呼子でも、路地のあちこちで猫を見かけた。ほとんどの子は通りすがりのよそ者には関心がないか、警戒して逃げてしまう。店じまいした後のいかや海産物を売る屋台でくつろいでいたり、ごはんをもらえるおうちの近くでスタンバイしていたり。
うろうろして戻り、スーパーではせっかくなので佐賀産の刺身などとお酒を買い込み、宿へ。お風呂をいただいてからゆっくりと晩酌をし、次の日に備え布団に入った。
次の日は加唐島に渡る。