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はじめての愛媛② かつて猫まみれだった島へ

松山駅前で温泉→居酒屋

夕方、道後温泉駅から路面電車でJR松山駅前に向かう。

松山駅前

駅近くのホテルサンルート松山に宿泊。シャワーを浴びて寝るだけ、次の朝も始発で出るので、料金も安めで必要十分。ひと休みしてから駅前の温泉施設でお風呂に入り、そのあたりの居酒屋で夕食をとろうと思う。フロントに温泉施設の割引券があると掲示されていたのでお願いした。800円のところ、650円になった。

旅の食事は、何か目当ての名物などあれば下調べをして出かけるが、ひとり旅だとたくさんは食べられず、気まぐれに歩き回るので時間もきっちり決めたくないことが多い。(ただし島に素泊まりで宿泊する場合は、下手すると食いっぱぐれるので入念に調べ、必要なら予約する)
なので夕食は地元の料理を出してくれそうな居酒屋に行くことにしている。ちょっとずついろんなものが食べられて気兼ねがないのでいい。そして私は絶対に生ビールが飲みたい。

ホテル近くの居酒屋は、早い時間なのにもういっぱいで入れなかった。ならばと少し調べて、温泉施設の少し先のお店へ。お風呂を済ませたいので1時間後に予約して、「伊予の湯治場 喜助の湯」へ。

ビル全体はアミューズメント施設のようで、パチンコ店やゲームセンターがあり、似たような名前の男性専用カプセルホテルに間違って迷い込みそうになって時間をロスしてしまった。
浴場は広くお風呂が何種類もあって、時間があればいろいろ試せて楽しそう。肝心の源泉かけながしのお風呂が、不具合があったようで休止していたのは残念。
それにしても居酒屋の予約を1時間後にしてしまったのは痛恨であった。温泉施設で1時間ってけっこうあっという間よね。ぜんぜんゆっくりできなかった。なんであの時1時間半後にしてもらわなかったのか…と頭の中でぶつくさ言いながら、汗を流してさっとお湯につかったくらいで出てきた。まあさっぱりしたからよし。

夕食のお店は「ごはんとお酒 なが坂」。

なが坂

店内はかなり広そうで、早いうちなら予約がなくても入れたかもしれない。内装も落ち着いて雰囲気がよい。カウンターにつき、飲み物+おつまみ2品+やきとり2本のちょい飲みセット1,000円を頼んだ(ひとり客限定のようだ)。

ちょい飲みセット。おつまみがなんだったか忘れた!写真も撮ってない!

他にも、もう詳しくは忘れてしまったが、おすすめとあるつまみを何品かと、追加でせとうちレモンサワー、ハイボールもいただいた。ぜんぶおいしかった。調子にのってけっこう食べた。お腹いっぱい、お会計は6,000円弱。とても満足して店を出た。

Googleマップで見ると少し歩けばスーパーがあるようだったので向かい、次の日の猫島行きに備えて食料と差し入れ用猫の餌を買う。明日の目的地、青島はお店も自動販売機もないので、滞在中の飲料や昼食の用意は絶対。朝買い物ができる時間や場所があるかも不明なので、前日に仕入れてしまう方がいいのだ。ホテルの部屋でくつろぐために小さい缶の赤ワインとつまみも買ったように思う(記憶がおぼろげ)。あとは歯を磨いて寝るだけというところまで整えたら、普段もうほとんど見ることのないテレビをつけてお酒をちびちび、旅の日記を書いて早めに就寝した。地方では、ローカル番組、ニュースや天気予報にも地方色があって、新鮮なのでよくテレビを見る。東京と変わらないバラエティ番組しかやっていないこともあるが、それはそれで、普段見ないので面白かったりする。今ってこういう人がテレビ出てるんだーとか。

始発で港へ向かう

旅先では気が張っているのであまり眠れない。4時過ぎに起床、シャワーを浴びて準備。5:20にチェックアウト、徒歩5分ほどで松山駅。松山駅はリニューアル中のようで、古い駅舎の奥に進むと新しい改札があった。

早朝の松山駅

5:51予讃線宇和島行き始発。車両内はほぼ貸し切り。早めに乗り込み2列2列のシートに座って昨日買っておいたおにぎりを食べた。

これに乗る
最初は誰もいなかったが、発車が近くなるとぱらぱらと人が乗ってきた


青島行きの船は、この先伊予長浜駅近くの港から出る。小さな船なので波が高いとすぐに欠航するし、乗客がいっぱいになれば乗ることができない(もちろん島民優先)。始発で向かっても、必ずしも乗れるとは限らないのでとても緊張する。出発直前にぱらぱらと人が増えてくると、このすべてが青島行きを目論むライバルなのではないかと思えてくる。

松山を出発し、夜明けの景色の中電車が進んでいく。

左側に座ったので海は見えない


途中から海沿いを走るようになり、ほぼ無人の駅が続く中、「下灘」という駅にだけ妙に人影があり、少し考えて「あっ、ここが最近有名な海の見える無人駅か!」と気がついた。どこか西の方とは思っていたが、こんなところにあったんだ…

もちろん海側の写真はない


私はいわゆる、映える風景写真をうまく撮ることができない。構図をじっくり吟味して、自分の立ち位置やアングルをじりじりと変えて何度も撮るようなことができないのだ(そんなことしなくても感性でぱっと素敵な写真が撮れる人もいるのかもしれないけど)。いまだに「うまくもないのにそんな粘って構図考えちゃって」という誰でもない誰かの声が頭の中で聞こえてきて、逃げ出したいほど恥ずかしくなってしまう。そして実際、そういうエモい写真が撮れそうな場所では、大慌てで「ここにいきました」という証拠写真にしかならない1枚を撮って文字通り逃げ出すのが常だ。
というわけで、下灘駅もなるほど素敵な景色だが、自分がエモい写真が撮れるような気はこれっぽっちもせず、したがってここにわざわざ来ることはないのだろうと思いながら通り過ぎた。はからずも有名な場所を偶然通りがかることができただけで、なんだかちょっと嬉しい小市民であった。

乗れなかったらどうしよう…

長浜駅が近づいてくると、船に乗れるかという緊張が増してきた。電車は空いているのに、いてもたってもいられなくて、せめて一番に降車できるようデッキで待機する。駅に降り立った人が一斉に港めがけて走り出したら、やはり自分も走るべきかどうかなどとしょうもないことを考えてやきもきしていたが、長浜駅について電車を降りたのは、私ひとりであった。肩透かし!

伊予長浜駅

港は駅から海のほうに向かう道を進んだ先にある。10分もかからない。8時の出港より前に整理券をもらうという情報があったが、港には親子連れがひと組のみ。聞くと、ただここで待つよう言われましたとのこと。船も出るようだし、無事に青島に上陸できそうでほっとした。

待合所の前には自動販売機
青島行き定期船「あおしま」

船が出るまでに、タクシーで港までやってきた外国かららしき女性と、家族連れがもうひと組。それでぜんぶだった。乗員さんの案内で船に乗り込み、往復運賃1,400円を支払う。30分ほどで青島についた。桟橋まで出迎えにきている猫が数匹見える。

ついに青島についた!

(つづく)


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