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1ヶ月のオンライン体験学習を振り返って

【オンライン学習支援校プロジェクト20】
 9月の体験学習が終わりました。参加した子どもたちに「この体験学習を振り返って思ったことを書いてください」、と最後にお願いしました。でも、いつものようにこれは強制ではありません。しかもそれを伝えた終了間際の時間に来ていたのは7〜8名。それでも6人がカードの中に、自分の気持ちを文章で書いて提出しました。いろいろな言葉がありました。その中の文章を抜粋します(その通りではないものもあります)

楽しかったです。
オンライン授業で勉強できて分かりやすかったです。
体験学習のおかげで自信をもてました。
学校にいざ行くとなっても行けそうです。
最初は不安だったけどみんなと勉強して楽しかったです。
勉強に集中しすぎました。
毎日すごく楽しかったです。
10月もよろしくお願いします。

 学校での通常の学級ならほぼ全員が出すでしょう。しかしこのスクールでは、これだけ出してくることに嬉しさを覚えます。この一ヶ月、決められた日や時間におおよそ継続的に参加できた子どもが3〜4割ほどいます。主にその子たちの言葉です。

 嬉しかったのは肯定的な言葉で溢れていたことです。そして思いを文章の中に表出していたことです。学校や学級では居場所のない子どももいるかもしれません。自分の気持ちを出せない子どもや、自分の思いを周囲に受け取ってもらえない子どももいるかもしれません。もし自分がこの子どもの誰かが所属する学級担任だったら、ここまでこの子たちの思いを受け止めようと努力していただろうか。  
 それは自分のこれまでの教員人生の反省であり、今回学んだことです。

 よく参加した子どもたちが見せた姿は、おそらく学校とは違った様子でしょう。いやひょっとしたら、学校では出せなかった自分の素があるかもしれません。まあ、そもそも全体で発表がなく、多くが顔も声も出さず、やりとりはカードかチャットというスタイルは学校の中では考えられないので、同じになるはずはないですが。それは、ここだからできたことかもしれません。

 そして考えるべきは、ここでもカードを出せなかった子どもがいること。参加をしなかった子どもがいること。ただし、その子たちに対し、なんとか出させようとか、その子たちをなんとか救おうとするとか、そこはあえてやりません。私たちのできることは彼らがここに来た時、学べるようにすること、ここに来たらまた来たい、関わりたいと思うようにすること。そして自分で道を選べるようにすること。

 このスクールに参加した子どもたちのゴールは何なのでしょうか?
 学校に行けるようになること?学校を変わってもやれるようにすること?出席日数を確保すること?学校ではできない勉強をすること?ここで学び続けること?新しい学びのスタイルを作ること?

 実はそれは明確ではありません。またゴールは一つではありません。子どもそれぞれが自ら選んでいくでしょう。そして私たちも、子どもの姿を見ながら見つけていくしかありません。子どもも親も私たちも試行錯誤の中にいます。ただし私たちの試行はあくまでシステム的なものですが、子どもや親は悩みながら、道を探っている貴重な時間です。そのことを忘れず、真摯に向き合いたいと思います。

 私が常に思っていることは、参加者にとって、わずか1ヶ月でもここで体験したことが、この先、生活したり学んだりすることに少しでも役立って欲しいという願いです。もちろん将来生きていくことにとってわずかでも糧になれば・・。いつ彼らがここを去るかわかりません。またいつまでここに居続けるか分かりません。毎月、毎日、毎時間をより大切にしたいと思っています。

10月も始まりました。数人が去り、数人が加入。ほとんどは継続です。

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