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雨チャージ

晴れた日と雨の日、どちらかというと晴れた日の方が好きだ。
快晴だと気持ちが良いし、洗濯物もよく乾く。ベランダで育てている植物も喜んでいるような気がする。それに、外出する時に傘を持っていかなくても良い。

先日、雨の日に家族と徒歩で出かける機会があった。
雨が降っていると傘をさしながら移動するのが面倒くさくて、つい車で出かけたくなるのだけど、その日は一日中雨だったので少しは体を動かそうかと徒歩で出かけることにした。傘を差しながら家族で出歩くのは久しぶりだった。

歩き出してしばらくすると、バッという音がして足に水がかかった。振り向くと息子のRがウヒウヒと嬉しそうに笑っている。手に持っている傘は上ではなく横を向いている。子供の頃よくやった傘を開く勢いを利用して水滴を飛ばすあの攻撃だ。

やりやがったな、、、、

僕も負けじとやり返すが、子供の方が身長が低いのでガードが固い。傘を低く構えられると上手く水滴を当てることができない。2、3回 やり合ったところで相手の方の弾が切れたようだった、傘が小さいので充填できる量が少ない。

「雨チャージ」そう言ってRは傘を上に向けた。
それこそ傘の正しい使い方なのだけれど、Rにとっては雨を防いでいるのではなくて、次の攻撃のために弾をチャージしているつもりだ。創造的な傘の使用法。

子供の遊びを見ていると、物の使い方は一通りではないことを教えられる。傘は雨を防ぐだけでなく、相手を攻撃するために雨を飛ばすための道具にもなる。

小学生の頃、登下校中に流行った傘を使った遊びがあった。雨が上がった後もしくは傘を持ってきたけど雨が降らなかったとき、それは行われる。傘を逆さに持ちJ字型をした持手の先端を上に向け、前にいる子の股の間からそっと差し込みぐいっと引っ張るのだ。

今考えるとゾッとする。


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