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カーシェア入門 ~最強のシェアリングエコノミー~

所有から共有へ、というスローガンのもとにシェアリングエコノミーが叫ばれて久しいですが、その代表格が「カーシェアリングサービス」であるということは、およそ異論がないことだろうと思います。

所有される自家用車の稼働率は10%ほどで、残りの90%は駐車場に止まっている時間だという調査もあり、これはすなわち「一日24時間のうち、自家用車の動いている時間は2.4時間程度」という意味です。
自分の使っていない90%の時間は車がもったいないから、誰かに使ってもらおう」という発想はまさに「所有から共有へ」という思想を体現するものと言って間違いないでしょう。

かく言う私自身、タイムズカーシェアのヘビーユーザーであり、TCPプログラムは堂々のステージ4です。じゃらんで言うとゴールド会員、一休で言えばダイヤモンド会員でしょうか?
今日は、そんな私が自身の経験と知識をもとに、カーシェアについて考察していきたいと思います。

※当然のことながら、いわゆる大都会以外の地域では、自家用車はほぼ必須です。あくまで、地下鉄の走っているくらいの都会での話という前提で読んでいただけると有難いです。

1.経済的メリット

1-1.東京23区の駐車場代は平均月額3~4万円
こちらのサイトを参考に記載しています。
都心に行けば行くほど上がるのは当然として、東京23区の駐車場代は月額3~4万円でおよそ間違いなさそうです。年間にすると30万円~40万円程度でしょうか。

タイムズカーシェアの場合、最低料金が15分で220円、6時間パックの利用料金が4,290円です。仮に土日に毎回6時間パックに乗ったとしても、4回の週末で34,320円でおさまります。都心に住んでいる方だと、駐車場代が浮くだけで元が取れる人も結構な人数いそうです。

その他、下記に追加で書いていきますがガソリン代、車検代などもすべてかからないことを考えると、仕事や日常生活でどうしても車を使う人以外は、ほぼこれでカーシェアが自家用車に対して価格優位があると結論がついてしまうのではないでしょうか。

1-2.ガソリン代がかからない
これも多くのカーシェアサービスに共通する仕様ですが、ガソリン代は基本的に発生しません。(その代わり、一定時間以上の利用については後述の「距離料金」という料金設定があるものがほとんどですが・・・)

上記の駐車場代の部分を見て、「うちの近くはそこまで都心じゃないから、駐車場に月3万円もしないよな・・・」と思った方は、ガソリン代もそこに乗せて考えてみてください。カーシェアの方が有利そうだと思われる方もきっと多いと思います。

1-3.保険料、車検、パーツその他
私は自家用車を所有したことがないので、リアルにイメージのできる駐車場代とガソリン代以外のところは通り一遍の教科書的なことしかわからないのですが、保険、車検、オイルやタイヤ交換など諸費用を考えると、維持費の比較的安い軽自動車でも年間トータルで十万円以上が追加発生すると考えて間違いないでしょう。

駐車場代、ガソリン代に加えてここまで考えると、カーシェアの価格優位性がかなりイメージできてくるのではないかと思います。

2.経済面以外のメリット

2-1.車検を気にする必要がない
自家用乗用車の車検の有効期限は、新車登録から初回の検査が3年間で、以降は車齢にかかわらず2年ごとに車検を受ける必要があります。
私自身は経験がありませんが、自家用車の場合は車をディーラーに持っていき、代車を借り受け、数日から一週間程度後にまた取りに行く…といった手間がかかります。

また、万が一車検を忘れていたなんてことがあれば違反状態です。罰金や免停をくらってしまっては目も当てられません。
カーシェアの場合、そうしたスケジュール管理のわずらわしさからは全て解放されます。これはお金以外の面での大きなメリットと言えるでしょう。

2-2.営業時間は24時間、変更・キャンセルは直前まで何度でも無料
これも嬉しい仕様なのですが、ショッピングセンターに併設されている拠点など以外は基本的に24時間いつでもレンタル開始・返却が可能です。
レンタカーの場合は店舗の営業時間に合わせて、朝10時からしか借りられなかったり、夜は20時までには返さないといけなかったりするので、行動が制限される場合が多いです。早朝から借りてもいいし、深夜に返してもいいという時間の柔軟性はカーシェアの大きな強みの一つでしょう。

また、変更・キャンセルがアプリで簡単に操作可能で、直前まで何度でも可能というのも嬉しいところです。
これもレンタカーとの比較になりますが、レンタカーは3日前からはキャンセル料が発生などという場合がほとんどです。

使うかな、と思ったらとりあえず予約をとっておき、直前まで「やっぱりやめた」ができる、というのは使って納得の非常に便利なポイントです。

3.ここだけは気を付けておきたい、デメリットの部分について

3-1.距離料金は馬鹿にならない
カーシェアの会社によっても異なるのですが、基本的に一定時間(6時間が多いです)を超える利用に関しては、タクシーメーター方式の距離料金として、1kmあたり16円程度が発生することが多いです。
先述の通りガソリン代がタダなので、それに代わる料金として考えればある意味当然の料金ではあるのですが、これがとにかく高いです。

一般的なコンパクトカーの燃費は1リットル15~20キロ程度で間違いないでしょう。最近のガソリン代の値上がりを加味して、1リットル160円程度と見積もった場合、1キロ当たりのガソリン代は8~10円程度です。
私自身、東京から蔵王まで往復、近隣観光も含めると約900kmの利用をしたことがあり、距離料金を含めて25,000円程度かかりました。さすがにこの時ばかりは後悔しました。

3-2.場合によってはレンタカーが有利になる場合もある
上記の蔵王の例が典型的ですが、距離料金の発生しない6時間で乗り倒すというのが、一番効率の良い利用方法であることはほぼ間違いなく、6時間を超える利用に関しては正直、レンタカーに軍配が上がることが多いです。

カーシェアもレンタカーに負けじと、12時間パック、24時間パック、36時間パック、48時間パック、、、などとパック料金を展開し、レンタカーに対抗しようとしていますが、そもそもの時間料金がやや割高なのと、前に述べた距離料金が非常に高いこと、レンタカーはじゃらん等で盛んに割引キャンペーンが展開されていること等を総合するとやはりレンタカーの方が安いことが多いです。

価格以外にも細かい部分でいうと、同一県内では基本無料で乗り捨て利用ができる点もレンタカーに有利な部分でしょう。

3-3.「短距離乗って、行先で長時間過ごす」場合は相対的に不利
上記で長距離に乗る場合のデメリットを2つ書きました。それらは基本的に鉄道やレンタカーとの比較で不利になることがあるというものです。
一方、「短距離乗って、行先で長時間過ごす」場合はタクシーとの比較になるでしょう。
具体的には、スーパー銭湯に行く場合や、近場のショッピングモールに行く場合が考えられます。当たり前の話ですが、カーシェアの時間課金はお風呂に入っている時間も買い物をしている時間も容赦なく発生します。
片道1000円で行けるような距離であれば、場合によってはタクシーの方が有利かもしれません。

もっとも、車でdoor-to-door移動ができるメリットとして、「ノーメイクでスーパー銭湯に行ける」であったり、「アウトレットで爆買いした洋服を負担なく自宅に持って帰ることができる」といったプライスレスな価値があることも事実です。
こうした部分も踏まえて、是々非々での検討が良いでしょう。

4.結論:「自動車が趣味」でない限り、都心で自動車を保有するメリットは限りなく低い

これまで書いてきた通り、概ねレジャーとして車を使う限り、場合によってはタクシーやレンタカーに軍配が上がることはあるにせよ、「都会において」「自家用車と比較した場合において」は非常にお得なサービスであると断言できます。

冒頭で記載した「自分の使っていない90%の時間は車がもったいないから、誰かに使ってもらおう」というカーシェアの原点の発想はそれ自体が経済合理的であり、まさに最強のシェアリングエコノミーと言って過言ではないでしょう。

裏ワザ的な使い方:カーシェア車中泊

私自身、実践したことはないのですが、「カーシェア車中泊」なる格安宿泊メソッドが存在します。

方法は簡単で、
1.ナイトパック(多くのサービスでは18時~翌9時)の定額料金サービスを活用し、2000円~3000円程度でカーシェア(≒寝床)を確保
2.寝ている間の駐車場は?もともとカーシェアのスペースがあるのでそこに止めておけば無料です
3.お風呂に関してはそのまま車で近場の銭湯にでも行けばOK
4.ナイトパックでは、距離料金は発生するものの、ガソリン代そのものはかからないので、暖房や冷房は幾ら入れようが無料
・・・というものです。

家族連れでこれを決行するのはなかなか難しそうですが、どうしても宿の確保できなかった出張先や、宿泊費を抑えたい一人旅などの場合は、現実的な選択肢になってくるかもしれません。

やってみたことがある!という人は是非コメント欄でご報告お願いします!

本日は以上です。
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それではまた明日。

2022.1.1 さいとうさん

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