クレープの皮はひとりを思う
疲れた。
セブンでチョコバナナクレープを買って帰った。
私の拳くらいの大きさしかないくせに、一丁前に259円もしやがる。
でもいい。今日はいい。今日は頑張った。
これくらいのご褒美許される。
封を開け、真っ先にクレープの皮をちぎった。
クリームもチョコもバナナも何もついていない、
包むときに余る、あの何もないところ。
クレープの皮が好きなのだ。
何もついていないところを、何もつかせぬまま味わいたいのだ。
だから私は、真っ先にそこをちぎる。
ちぎって、最後の最後にしっかりと味わ