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また簡単すぎた!? 平均点が女子100点越えって! 合不合12月 分析と対策

はじめに

最期の合不合判定⑥の偏差値も出ましたね。
泣いても笑っても、これが最後。

金曜日に公開される首都模試の結果が残っていますが、それでだいたいの人の持ち偏差値が確定し、受験校を決めて出願するということになります。
皆さん、どうでしたか。

そして、1か月後には、埼玉入試!(ドーン!)
事前入試を受ける人は、入試まで30日切っています。
まさに、直前期!!
ここから、時が過ぎる体感も、倍速のように速く感じますよ。

そんなわけで、合不合⑥の国語と、今回は社会も振り返りをしてみました。大事な冬休み前に、反省と考察をし、これからの修正点を洗い出していきましょう。



国語 ハイパーウルトラ簡単なテスト


総語数 約9500語!

平均点
今回 12月
男子 95.7点
女子 102.0点

前回 11月
男子 92.4点
女子 99.7点

かなり高い平均点で、難易度としてはかなり簡単な部類でしょう。2回連続してこの難易度が続くということで、国語に関しては、難関校対策のテストとしては、微妙なですね。
実際、ミスしない方が勝ちの正確さを競う試験でした。

今回の合不合の結果資料集のなかにある講評の国語の欄には、「皆さんの努力がうかがえる、素晴らしいでした」とありました。
これは、四谷大塚側でもう少し出来が良くなかったことを想定していたということなのでしょうか。
それとも、ターゲットのボリュームゾーンを中堅層に絞った結果、予想以上に子どもたちができてしまったとか。

まあ、でも去年も、こんなことありましたね。
平均点90点越え連発というような国語の試験が11.12月らへんに続きました。
今考えると、9月のテストが難易度としては、ちょうどいい感じでしたかね。
すこし残念な感想です。

大問1 物語

神戸 遥真 『オンライン・フレンズ@ユナ』
語数 5450語

空気の読めない主人公がまわりとの人間関係に悩みながら、自分の信念ややりたいことをなんとか貫こうと奮闘する物語。

ライトノベルのようにさくっと読めて、状況もとても把握しい本文に、設問もごく簡単。

この大問で全問正解に近づけたか、取りこぼしがなかったかがポイント。

月を重ねるごとに、どんどん物語は簡単になっていきますね。題材自体は、おもしろいので、もう少し設問の方を難しくしても良かったのでは、と思いました。

大問2 論説文

奥野克巳『ひっくり返す人類学 ――生きづらさの「そもそも」を問う』
語数 4000語

ヘヤ―・インディアンなどの少数民族の学びにおける態度を題材に、知識と知恵の関係を論じていく文章。

主張がはっきりしているので、こちらも文章量のわりには、把握しやすい内容。

落ち着いて、情報の整理ができれば、こちらも全問正解近く狙えるほどの内容でした。

差がついたのは、やはりこの論説文でしたね。

物語は、だいたいみんな全問正解近く取れていて、論説文の取りこぼしで、差がつくというのは、先月と同じでした。

生徒たちの答案用紙を見ても、平均点に行くかどうか、平均点を超えても、偏差値60近くまで伸ばせるかは、こちらの大問の出来にかかっていたように思います。

大問3.4 知識・漢字

知識 文法・敬語 /  漢字
こちらも正答率が高く、すべて取りこぼしなく取りたい。

敬語をポロポロ落としていた人も割といましたね。
ラストチャンスだと思って、敬語の分野を、小5の予習シリーズなどをひっぱり出し、再学習しておきましょう。


社会 ごまかしの効かない本当の実力が測れる試験

平均点 男子 58.1
    女子 54.8

前回に引き続き、図表・資料の読み取り思考系の問題が散りばめていて、ごまかしのきかない本当の実力がわかる良い試験だと思いました。

一問一答形式の問題も、すこし角度を変えた聞かれ方をしていたので、要点チェックはできるけど、という子が点が取れていませんでしたね。

また、「オーバーツーリズム」などの時事問題も出ています。

平均点も、55点近くと、難易度もバランスの取れた試験だったといえます。

1.聞かれ方の角度が変わると答えられない子のための対策

一問一答や要点チェックのテストはできる。ストレートな聞かれ方の問題は解けるけど、変化球の効いたような聞かれ方だとできなくなる子は、知識を単体で覚えていて、文脈や因果関係のなかで、知識のネットワークがうまく構築できていないのでしょう。

例えば、1858年に日本とアメリカで結ばれた条約は、「日米修好通商条約」で終わるのではなく、日本の代表は井伊直弼で、アメリカの代表はハリス。開かれた港は、神奈川→横浜、兵庫、新潟、函館で、下田は閉鎖。なぜ下田は閉鎖したかというと、今回はしっかりアメリカと貿易するためだから、江戸と近い場所に貿易港を作る必要があった。下田は、とりあえずすぐ江戸に来れないように、その場しのぎの港なので、こうなっては不便だから閉鎖することになる。ついでに、なんで神奈川かっていうと、神奈川はもともと東海道の宿場町だったが、人通りが多く、外国人が滞在するには人の目が多すぎた。だから、もともとちいさな漁村だった場所に、横浜という港町を作った。この際、不平等条約では・・・などなど、ひとつの出来事から、いろいろな用語と因果関係が、連想されてこそ、生きた知識といえます。

残念ながら、合不合はとても有料模試とは思えないくらい、解説が足りておらず、これだけではとても理解ができるものではありません。そこらへんが、解説が充実している首都模試とは違いますね。

ですので、間違えた問題、理解が曖昧の用語を、予習シリーズなどのテキストでしっかり調べなおすことが必要です。

ときには、インターネットで調べることもありだと思います。親御さんのしっかりとした監視のもとであれば。

また、塾や家庭教師の先生の解説をしっかり聞いて理解を深めること。そのための冬期講習・正月特訓です。字で読むより、耳で聞くほうが、子どもたちにはスムーズに抵抗感なく理解が深まります。ここがラストチャンスだと思って臨みましょう。

2.図表・資料の読み取りの対策

また、図表を使った問題の処理は、ここ最近の入試のトレンド。初見問題でも、いわゆる「現場思考」ができるか。つまり、その場でどういうタイプの問題か判断して、処理していけるかにかかっています。

対策としては、ひとつは、しっかりと図表に作業をすること。

図表でしたら、最大値と最小値に〇をする、カギとなる数値に〇をする、線を引くといった、書き込みをして考えていくことです。

書き込み量と思考量は相関関係にあります。授業中の様子を見ていても、書き込みの少なさと偏差値の低さは、ああ、同じだなってのが昨日も見て取れました。

年が明けても、問題用紙がきれいなままなら、そのままの状態で入試に突入です。成長はプラスの変化です。子どもたちの問題用紙をチェックしてあげてください。

やり方がわからなければ、塾や家庭教師の先生に聞くと良いでしょう。

もうひとつは、そもそも初見問題にせずに、これはどこかで見たことがあるな、という経験値を増やすこと

予習シリーズの練習問題や演習問題集、過去問などで、さまざまなバラエティーの問題に当たり、経験値を増やし、適応力をつけていくことです。

やりっぱなしは厳禁。しっかりと解説を読み理解すること、ときには先生になぜそうなるのか質問をして、理解を最後まで完結させることが成長につながります。

全体を通して 受験生を支える皆さんへ


全体的に見ると、例年と同じように、成績を下げている生徒が多かったような印象です。私の塾や家庭教師の生徒でも、3対1で成績が下がった子のほうが多かったですね。

先週の水曜日の偏差値が出た日の授業では、塾の授業中に成績表を渡したのですが、みんなどよーんとしてお通夜モードでしたね。「これから、家に帰りたくね~」というオーラをみんな醸し出していました。(笑)

だからこそ、今回成績を上げた子は、貴重だと思います。

まあでも、良くても悪くてもたった1回の試験なので、悪くても引きずる必要はないですし、引きずってはいけません最速最短で立ち直り、前へ進みましょう。

良かったとしても、今までの成績が帳消しになるわけではありません。あくまで1回の試験と思い、冷静に受け止めましょう。油断や驕りは目を曇らせ、大事なこと(今までの我慢とか良い行動を)をやめてしまうのはよくあるケースです。注意してください。ただ、あなたのやってきた努力の方向性は正しかったということです。

ダイエットといっしょですね。たった1日目標体重に行ったくらいでは、誤差の範囲かもしれないし、たまたま体重が減っていただけかもしれない。あくまで体重の週平均や月平均の増減で見ていくほうが、自分がやってきたことが正しかったのかどうか評価できますし、結果リバウンドしなくてすみます。それとスタンスは似ているでしょう。

こんなこと、皆さんにはもう釈迦に説法でしょうが、成績のグラフは上がったり下がったりと波打つものですので、やはり9月から12月の4回の試験の平均で、志望校最終確定をしたほうが良いかなと思います。

親子ともに、しっかりと現実と向き合い自分の持ち偏差値=実力相応校のゾーンと定めて、チャレンジ校・実力相応校・安全校を確定していきましょう。

安全校から決めた方がいいですよ。チャレンジ校から決めると、際限なくなってしまいます。気が付いたら、安全校の日程が埋まってなくなっています。

また、世間体からチャレンジ校を選ぶのもやめたほうがよいと思います。「四月の勝者」でも、それで迷走している母親が出てきましたよね。それだと本人の受験ではなく、親の受験になってしまいます。

世間の目よりも、自分の子どもがその学校で充実した日々を過ごし、常にプラスの刺激を受ける仲間たちのいる環境で、6年間で人として成長できるかのほうがはるかに大事です。まわりの視線に振り回されず、いい意味自分たちの信念を貫いてほしいと思います。

また、「うちは過去問の出来がいいから、偏差値は参考程度に。うちはうちの戦い方がある」という考え方も、毎年けっこうありますが、リスクは高いです。それ逆です。家でやる過去問の点数はあくまで参考程度にとどめておきましょう。

基本入試は、外部会場で受ける模擬試験の偏差値通りの結果になることが多いです。

居心地の良い自分の部屋や塾の教室と違って、外部会場では、入試と同じようにノイズが混じりますので、その子の受験当日と同じ力が判定しやすいのです。

「過去問では取れてたのに」普通に落ちてしまったケースを私もいっぱい経験してきました。

とはいえ、過去問ができると「行けるかも」って思ってしまいますよね。

私も、家庭教師のほうでは、いっしょに過去問をやっていますし、全問解説をしていますので、そんな希望を抱いてしまいます。そして、2月には、偏差値通り・・・という痛い経験を何度もしてきました。

あくまで偏差値ベースに出願する学校のシミュレーションをしていくということを強く勧めます。

もちろん、あきらめる必要はさらさらないです。
合格することを信じて、前へ進んでいきましょう。

すべての結果が出尽くしたこれからの時期は、超直前期に入り、特に冬休み・正月のタイミングが一番得点力が伸びる時期です。

事前の埼玉と千葉受験は、本当に偏差値どおりに出ますが、2月からの都内では、受験生が分散されます。

私も、去年(今年2月ですね)、家庭教師のほうの子ですが、不合格不合格からの奇跡のような第一志望繰り上げ合格を教え子が、しかもふたりももぎとってきて、いっしょに感動させてもらいました。
こんなことが2度もあるのかと、ぶったまげたものです。
この仕事をやっている醍醐味ですね。

正しい努力をし続けていれば、きっと良いことがあると思います。
みなさん、がんばりましょう。
出口のないトンネルはないですから。




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