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恋愛小説~彼女との関係を急ぐ彼氏~day4

前回までのあらすじ
恋人の愛子と家で話をしていると愛子の尊敬している先輩の話に。僕がその先輩に嫉妬してしまっていることを愛子に話す。愛子は先輩は恋愛対象ではないこと、そして僕のことが好きであることを言ってくれた。嫉妬している僕を見て他に何か悩みがあるのではと思った愛子が僕に隠し事をしないでほしいことを僕に伝える。そこで僕は半年愛子と付き合っているががまだHができていないことに悩んでいると伝えることにした。

「ええと、どういえばいいんだろう」
愛子が僕の目をしっかり見てくれているのを見て、どのように切り込めばいいのかわからなくなった。
「もーもったいぶらないでよ!そんなに私に言いにくいことなの?」
愛子は僕の目を見ながら怪訝そうにそういった。
「もしかして浮気してるとかじゃないよね・・・?」
「違う違う!浮気なんかしてないよ!」
僕は焦りながら愛子にそういった。
もう言うしかない。ここまで愛子が寄り添ってくれているんだ。
「ええっとね、僕ら付き合って半年になるじゃん。今まで一緒にご飯食べたり、家で話したり、ハグしたり恋人っぽいことをしてきたと思うんだけど、これからもう一ステージ上のことをしたいなと思ってるんだよ」
それを聞いて愛子は腑に落ちないような顔をした。
「もう1ステージ上っていうのはどういうこと?」
「ええっとね・・・」
僕は覚悟を決めて言うことにした。
「僕は愛子とHがしたいんだよ。愛子のことが好きだからしたいなって最近すごく思うんだよ」
僕の言葉を聞いて愛子は目を大きく開けた。
ちょっと直接的に言いすぎてしまったかもしれない。
「ごめん、ちょっとびっくりしちゃった。それは最近思い始めたことなの・・・?」
愛子は少し控えめにそういった。
「うん、最近特に思うようになったんよ。僕自身、今までそういう経験がないからこの気持ちをどうすればよいのかわからなくなってて」
「そ、そうなんだ」
「・・・」
愛子は少し心を落ち着かせるためだろう、深呼吸をした。
そして愛子は口を開いた。
「私も正直なことを話すね。私もそういうことに興味がないわけじゃないよ。ただ私もそういう経験がないからどうすればよいのか困ってたの。この間も映画一緒に見たけど、私トイレに行ったでしょ?あれもそういうシーンが来るなと思って、反射的に逃げちゃったの。ごめんね」
愛子はつづけた。
「私はあなたのことが好きだし、あなたとそういうことをするようになるのかなと思ったの。だけど、やっぱりどうしたらよいかわからなくて。あと、あなたがそういうことを我慢しているとは思わなかった。あまり我慢しているように見えなかったもん」
愛子はおびえた猫のようにこっちを見た。
愛子も困ってたんだ。僕だけ思ってたことじゃなかったんだと思って、少しだけほっとした。
僕は居ても立っても居られなくなって、前から愛子を抱きしめた。
「ごめんね。まったく我慢しているように見せてなかった僕が良くなかったね。じゃあこれから少しずつ関係を深めていけるようにしていこうか。時間はかかるかもしれないけど、僕らはそれでよいと思う。正直に気持ちを言ってくれてありがとう」
僕がそういった後、愛子がうなづいてくれたのを首元で感じた。
正直に言ってよかった。これから少しずつ関係を深めていけるように頑張っていこう。
「・・・。ねー暑いよー」
「あ、ごめんごめん。つい」
暑がっている愛子を僕は離した。
「・・・」
謎の沈黙があった。
すると愛子が口を開いた。
「じゃあ今日はちょっと家に帰るね。なんかふわふわした気分だから・・・。いい?」
「うん、いいよ。送っていこうか?」
「大丈夫だよ。明日、朝から授業でしょ?また連絡するね」
そういって愛子は立ち上がり僕の家を出て行った。
愛子も急なことでびっくりしたんだろう。お互い冷静に考えた方がよさそうだ。
「ピロン!」
僕の携帯が鳴った。
誰からだろうと思ってLINEを見ると愛子からだった。

「今日はありがとう!なんか恥ずかしくなって家出ちゃった笑笑
あさって空いてる?もしよかったら水族館にでも行きませんか??」

水族館デートのお誘いだった。
愛子なりに考えてくれて誘ってくれたのだろう。もちろん行くよ!とLINEを返した。愛子も僕ともっと関係を深めたいと思ってくれてるんだなと思って嬉しくなった。ただ僕が急いだりして愛子を焦らせないようにだけしよう。久しぶりの愛子からのお誘いに嬉しくなりながら、僕は明日の授業に備えて風呂に入ることにした。

To Be Continued・・・

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