10個のキーワードから見る2020年の食トレンド!
アメリカのオーガニックスーパー「Whole Foods Market(ホールフーズ)」から、2020年の食トレンドが発表されました。
バイヤー、料理家などを含む50人以上のホールフーズのスタッフが、消費者の嗜好データ、自身の業務上での経験、食品およびウェルネス業界の展示会での人気商品などを元にまとめた、10個のキーワードを元に2020年の食トレンドについて見ていきましょう!
1.小麦粉の代替品
グルテンフリーが高まるアメリカで注目されるのが、小麦粉の代替品となる粉。
米粉やアーモンド粉だけでなく、野菜や果物から作られたユニークな粉(カリフラワー粉やバナナ粉)が注目されています。
↑トレジョの人気商品のカリフラワーを粉末状にして作った「カリフラワーピザ」
ちなみに個人的に注目しているのが「テフ」
「世界最小穀物のスーパーフード」と言われているテフは、鉄分や食物繊維などが豊富に含まれていることに加え、グルテンフリーということもあって、「キヌアに次ぐスーパーフード」として海外セレブからも注目されています。
2.西アフリカ料理
中東や西ヨーロッパからの影響を受けて独自の食文化を構築している西アフリカ料理。
クスクスのような食感の栄養価の高い穀物「フォニオ」をお米の代替品として使ったり、
前述の「テフ」を薄くクレープ状にして、ペースト状にした豆や野菜をつけて食べる「インジェラ」という料理など、
↑インジェラのことを「見た目は雑巾、味はゲロ?!」と記載している記事がありましたが、アメリカで食べたインジェラは美味しかった!
栄養価の高いスーパーフードが沢山ある西アフリカ料理に注目です。
3.冷蔵スナック
一昔前までスナックと言えばクッキーやバーなど、常温のものが主流でしたが、今後のスナックのキーワードは「フレッシュ」
冷蔵庫で保存しておき、冷蔵庫から出したら直ぐに食べられる、手軽で栄養価の高いスナックがアメリカでは続々登場しています。
例えば、スターバックスが発売しているプロテインボックス(日本未発売)
↑これで7ドルくらいだったかな?ちょっと高い…。
あるいは、PECKISHが販売している、ゆで卵とシーズニングがセットになったスナック
素材はシンプルなのですが、パッケージをお洒落にしたり、シーズニングを付けたりすることで、こんなにもスタイリッシュなスナックに仕上げてしまところが、さすがアメリカ。
4.再生農業
土壌の肥沃度の改善、生態系の改善、気候変動の防止に焦点を当てた農業システム「再生農業」
再生農業に取り組んでいるブランドとして知られているのが、アメリカ・ジョージア州にある農場「White Oak Pastures」。
ここでは、飼育動物の食用にならなかった部位を堆肥にするなど、廃棄物ゼロを目指した農業方法を行っており、Growing Green賞など数々の賞を受賞しています。
企業ブランドを上げるために、Social Goodなことに取り組んでいくトレンドは今後も続きそう。
5.大豆以外の植物性たんぱく質
大豆で出来たフェイクミート「beyond meat」をはじめ、大豆を使った植物性たんぱく質が含まれた食品が大ブレイクした2019年でしたが、大豆アレルギーを持った人を含む、様々な消費者の嗜好に対応するため、2020年は緑豆、ヘンプシード、アボカドと言った、大豆以外の植物性たんぱく質にも注目が集まっています。
↑サラダにかけたりヨーグルトにかけたり、何にでも合う便利なヘンプシード
ちなみにアメリカのレシピサイトで最近よく目にするのが、ヤシの木の中心部にあるホワイトアスパラガスのような食材「Hearts of Palm」を使って作ったパンケーキ。
このような、大豆以外の植物性たんぱく質が含まれた食品が今後増加すると予想されています。
6.植物性のバター
先日「milkadamia」が発売した世界初のマカダミアナッツバターをはじめ、最近アメリカのスーパーで最近増加しているのが、ひよこ豆バターや、スイカの種のバターなど植物性食品を使ったバター(スプレッド)。
健康に良くないと言われているパーム油を使用しない、ナッツや種だけで作られたクリーミーなバターが人気になりそうです。
個人的にはトレジョで発見したチョコレートフムスにも注目↓
7.キッズメニューの再考
子供向けの料理番組や料理コンテストの数が増えるなど、昔と比較して“食通”の子供たちが増加している、というのがホールフーズの見解。
子供向けのお洒落でヘルシーな食品も続々登場。
魚の形をしたサーモンソテー「Happy Fish」
↑サーモンをサーモンの形にカットするという発想はなかった…!
オーガニックの野菜やフルーツで作ったピューレ「Happy Baby Organic」
グルテンフリーのカラフルなパスタなど、ヘルシーで高品質な子供向けの食品が増加していくことでしょう。
8.一風変わった砂糖
料理をする際や、コーヒーや紅茶などに甘さを追加したい際、砂糖、ステビア、ハチミツ、メープルシロップを入れるのが普通でした。
しかし、今後はビタミンやミネラルが豊富に含まれたフルーツ「羅漢果(ラカンカ)」や、ザクロ、ココナッツ、ナツメヤシなどの果物から取れたシロップがトレンドとなりそうです。
ちなみに私が好きなのは、ザクロのシロップ↓
バニラアイスにかけたり、お肉をこれでソテーしたりと料理の幅が広がってとても便利。
また、モロコシやサツマイモなどのデンプンから作られたシロップは、「甘さに深みがある」として注目されています。
9.ノンアルコール飲料
健康・ウェルネスに対する意識の高まり、飲酒機会の減少などの理由から、世界の主要各国でアルコールの消費量が減少しており、ノンアルコール飲料の需要が高まっています。
ホップが注入されたスパークリングウォーターや、植物が注入されたフェイクジンなど、「ノンアルコールだがお酒を飲んだ気分になれる飲料」の人気は高いです。
ニューヨーク初のノンアルコール・バー「Gateway」がブルックリンにオープンするなど(まだ行けていない…)、今後ノンアルコール専門店が増加していくでしょう。
10.肉と植物のブレンド
アメリカで大人気の「beyond meat」をはじめとするフェイクミート。
2020年もこの人気は続くでしょうが、全ての人がこのような100%植物性の肉を求めている訳ではないのも事実。
ただ、アメリカでは環境保全の観点から、肉を食べることに抵抗を持つ人は少なくはありません。
(牛や豚を育てるのに大量の水や草を必要とするため、環境破壊につながる=肉を食べることは環境破壊をすること、というのがアメリカで一般的な考え方)
このような背景もあり、今後は肉を食べる消費者に向け、肉と植物をブレンドさせた食品の需要が高まっていくと考えられています。
既に「APPLEGATE」からは、キノコ35%と牛肉65%をミックスさせた「ブレンドバーガー」が発売されています。
私はビーガンでないので、100%植物性のお肉より、このような野菜+肉のブレンドミートの方がボリュームもあって嬉しい。
2020年。どんな食トレンドが出てくるのか楽しみです!
【参考】https://www.wholefoodsmarket.com/top-10-food-trends-2020