言葉のズレと共感幻想
レビューを読んで興味を持ち、図書館で予約していたのがようやく回ってきた。
始まりから具体と抽象の話が出てきて、「あれ?この話どこかで…」と思ったら、佐渡島さんの対談相手は、夫が買って本棚に置いてあった本"具体と抽象"の著者だった。
私は心理士として相手の心の奥深くに耳を傾ける仕事をしているので、とにかく具体だ。
具体の話をしないと、素の感情的な部分に迫れない。
以前読んだ信田さよ子さんの"言葉を失ったあとで"にあった
「ビジネスで生きる人の、貧困な経験を貧困に抽象化する語り。具体性を持たせていく、言葉が賦活される」
という箇所に唸ったのだが、まさにそんな感じ。
具体に、具体に深めていく。
なので、カタカナの抽象的な言葉をやたらに使う大人に難しさを感じがちだったのだけれど、
ダブリングという方法で具体と抽象を行ったり来たりすることこそが、
その人のメタ認知や認知を捉えるのに役に立つのだなと、改めて自分の仕事にも繋げて考えられた。
面白かったのだけど、近しいテーマが対談形式で様々に語られるが故に、やや中弛みしてしまった。
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